アメリカ 音楽監督

2017/18年のシーズンのアメリカの音楽監督の年俸をランキング形式で発表します。完全な財務諸表は2シーズン遅れるので現在ではこれが最新版です。他人の懐具合というのは気になるもので、ましてや自分の好きな指揮者はいくら貰っているのか興味津々です。

やはり上位に並んでいるのは名門オーケストラばかりで、指揮者も著名な名前が並びます。ネームバリューと貰っている年俸が釣り合っているかどうかを考えるのも楽しいものです。

それにしても著名な指揮者は稼いでいますね。指揮者は世界中に何人いるか分かりませんが、ここに載っている人たちはほんの一握りの指揮者です。生存競争を乗り越えてポストを手に入れたいわば勝ち組なのです。

情報の発信元

ドリュー・マクマナス(Drew McManus)という芸術コンサルタントが書いているブログ記事の情報が元となっています。彼はオーケストラの財務関係に関して詳細に分析しているようです。数字はIRS(非課税団体の財務資料)の資料から引き出しているので、信頼できます。

ただし、完全なものではないとのコメントもありますから、多少の違いはあると思います。その点を承知の上で参照していますが順位への影響はないものと理解しています。

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アメリカオーケストラ音楽監督年俸ランキング(2017/18)

2017年9月の平均為替レートによる1ドル約110円で計算しています。

第10位:ボルチモア交響曲

 $926,562(101,921,820円)

ボルチモア交響楽団の音楽監督はマリン・オールソップです。第10位で年俸1億円超え!。総支出の3.24%を占めていますからオーケストラとしては大盤振る舞いですね。オールソップは女性指揮者としても草分け的存在であり、今後も女性指揮者の中で期待が大きい指揮者です。

第9位:セントルイス交響楽団

 $1,020,638(112,270,180円)

デイヴィッド・ロバートソンが2005年から音楽監督をしています。1億1千2百万はちょっと貰い過ぎかも。総支出の1.41%です。ロバートソンはBBC交響楽団の首席客演指揮者もしています。

第8位:ボストン交響楽団

 $1,199,866(131,985,260円)

アンドリス・ネルソンスが音楽監督ですが、1億3千万とはネームバリューが高い割に意外と低い数字で驚いています。総支出額の1%です。ボストン響の予算規模は大きいですから。ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の楽長もしているので個人的にはかなりの高収入かと思います。

第7位:フィラデルフィア管弦楽団

 $1,380,667(151,873,370円)

フィラデルフィア管弦楽団の音楽監督はヤニック・ネゼ=セガンです。約1億5千万円。見合った額かと思います。総支出額の2.63%です。

第6位:ニューヨーク・フィル

 $1,660,299(182,632,890円)

このシーズンの音楽監督はアラン・ギルバートでした。1億8千万円は貰いすぎでしょう。総支出の2.13%です。彼は2019年からNDRエルプフィルハーモニー管弦楽団の音楽監督になりました。

第5位:クリーブランド管弦楽団

 $1,698,759(186,863,490円)

音楽監督はフランツ・ウェルザー=メスト。1億8千6百万円は身の丈に合った金額かと思います。総支出額の2.97%です。彼の在任期間も長く続いています。

第4位:ダラス交響曲

 $1,894,129(208,354,190円)

このシーズンまでヤープ・ヴァン・ズヴェーデンが音楽監督でした。2億円超えなんて、ダラス交響楽団は大盤振る舞いだったのですね。総支出額の5.46%にも上っています。余程繋ぎ止めたかったのですね。しかし、現在はニューヨーク・フィルの音楽監督に出世しました。

第3位:ロサンゼルス・フィル

 $2,130,895(234,398,450円)

音楽監督はグスターボ・ドゥダメルです。総支出額の1.33%。アメリカで総予算が第1位のオーケストラですから、2億3千万円でもこの程度となります。今後期待の指揮者ですからそれに見合う年俸だと思います。

第2位:サンフランシスコ交響楽団

 $2,203,185(242,350,350円)

音楽監督はマイケル・ティルソン・トーマスです。総支出額の2.82%。2億4千万円ですからそれ相応の年俸かと思います。ティルソン・トーマスもこのオーケストラの音楽監督が随分長くなりました。

第1位:シカゴ交響楽団

 $3,527,730(388,050,300円)

第1位はリッカルド・ムーティでした。流石は指揮者界の御大、3億8千8百万円。総支出額の4.33%です。何といっても現役指揮者の中でのトップクラスの指揮者ですから、これでも少ないぐらいですね。シカゴ交響楽団は何としても彼を引き留めておきたいのでしょうから。

ランキングを振り返って

音楽監督名に直して並べてました。

第1位:リッカルド・ムーティ $3,527,730
第2位:マイケル・ティルソン・トーマス $2,130,895 
第3位:グスターボ・ドゥダメル $2,130,895
第4位:ヤープ・ヴァン・ズヴェーデン $1,894,129
第5位:フランツ・ウェルザー=メスト $1,698,759
第6位:アラン・ギルバート $1,660,299
第7位:ヤニック・ネゼ=セガン $1,380,667
第8位:アンドリス・ネルソンス $1,199,866
第9位:デイヴィッド・ロバートソン $1,020,638 
第10位:マリン・オールソップ $926,562

第1位は誰しもが納得するリッカルド・ムーティでした。もう高齢ですから、ヨーロッパとアメリカを往復するのも大変な事でしょう。来年のウィーン・フィルのニューイヤーコンサートの指揮者にも決まっています。

現在79歳、心臓にはペースメーカーを入れています。親友だったアバドも亡くなっており、体調の事も考えるといつまで現役で続けられるか心配な面もあります。

第8位のアンドリス・ネルソンスの年俸にしては低いもので少し驚きました。ボストン交響楽団との契約の詳細は分かりませんが、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の楽長との兼任ですから、拘束期間が短いのかもしれません。

指揮者は客演として様々なオーケストラを指揮していますから、個人の収入はこれ以上になっています。それプラス録音収入もありますからビッグネームになればなるほど、信じられないほど稼いでいるのです。

まとめ

アメリカ音楽監督の年俸ランキングを見てきました。流石はアメリカですね。第10位でも1億円以上の年俸ですから、凄い国です。実力があればあるほど収入も良くなります。

指揮者は才能だけではなれなくて、運も必要な要素となります。ここに挙げた10人の指揮者はそれを乗り越えてきた人たちです。

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