
ベートーヴェンはクラシック音楽史の中で偉大なる存在であり、山に例えるならエベレストと言えます。ベートーヴェンが多くの革新的な仕事を成し遂げたという事実は現代では疑う者もいないでしょう。
バッハやハイドン、モーツァルトといった先人たちが形作ってきた音楽をベートーヴェンはことごとく神の高みにまで押し上げました。作曲家としては致命的な耳の疾病を乗り越え、誰にも到達できなかった場所に己を導いたのです。
ベートーヴェンの代表作である交響曲、ピアノソナタ、弦楽四重奏曲を始め、多くの分野からの作品を選び、彼のやってきた仕事を再評価するのもベートーヴェンを理解するために必要な事だと思います。


ベートーヴェンの聴いておきたい作品について
ベートーヴェンの主要3部門である交響曲、ピアノソナタ、弦楽四重奏曲を始めとして、幅広いジャンルから作品を取り上げました。
各ジャンル1曲が基本ですが、ベートーヴェンを知る上で最も重要である交響曲に関しては複数曲を挙げてあります。
10曲に絞るという事自体とても難しいことですが、ベートーヴェンの全体像を把握するきっかけとなるはずです。初心者は勿論の事、クラシックを聴き込んでいる方もぜひ聴き直してほしいと思っています。
交響曲第3番『英雄』
「ハイリゲンシュタットの遺書」を書いた後のベートーヴェンは憑き物が落ちたように傑作を生み出し続けます。その記念すべき傑作の扉を開けたのがこの作品です。
交響曲第3番『英雄』について
大河が悠々と流れるような雄大な第1楽章。悲痛な葬送行進曲の第2楽章。軽快な第3楽章。自由な変奏曲の第4楽章。それぞれにそれまでの交響曲にはなかった要素を取り入れています。
当時の交響曲の2倍以上にもなる長大さといい、それを支える様々な仕組みはかつてないアイデアが満載です。まさに交響曲の本質を変えてしまったとも言えるでしょう。
交響曲が作曲家の中心作品と位置付けられるようになった偉大なる作品です。
交響曲第3番『英雄』おすすめの1枚
フルトヴェングラー指揮ウィーン・フィル(1952年)
基本的にじっくりと落ち着いたテンポの中で音楽は進みますが、フルトヴェングラー特有のテンポの動きがこの演奏の次元の違いを感じさせます。1952年録音のモノラルですが、名盤の中の名盤です。
新しい録音からではクラウス・テンシュテット/VPO(1982年)を挙げておきます。この録音も素晴らしいです。
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交響曲第5番
「傑作の森」の中心的作品である『運命』は外せません。数ある交響曲の中でもこれだけ構成力に優れた作品はそうはないでしょう。
交響曲第5番について
「ジャジャジャジャーン」で始まるこの作品の冒頭のメロディは、クラシック音楽に興味がない方でもご存知かと思います。それぐらい知名度があり、衝撃的な作品だということです。
「ジャジャジャジャーン」という運命動機で支配された音楽であったり、「暗」から「明」へといったわかり易い音楽であったり、この作品は一見単純そうに見えますが、じっくり聴いていくと様々な工夫がなされています。
おそらくはベートーヴェンの交響曲の中で最も構成力に優れ、構造美に溢れた作品です。
交響曲第5番 おすすめの1枚
フルトヴェングラー指揮ベルリン・フィル(1947年、ライヴ)
1947年5月7日のフルトヴェングラー/BPOのライヴ版を挙げます。歴史的な名盤と名高いものです。テンポの揺らぎが大きくライヴの臨場感が分かります。
古い録音が嫌いな方にはカルロス・クライバー/VPO版がおすすめです。『運命』の演奏に革命をもたらしました。
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交響曲第9番『合唱付き』
ベートーヴェン晩年の傑作です。日本では『第九』が12月の風物詩になってしまいましたが、本来この作品は特別な意味合いを持ったイベントを飾るような場合に演奏されてきました。
交響曲第9番『合唱付き』について
ベートーヴェンが亡くなる3年前に『第九』は完成され、初演が行われました。ベートーヴェン最後の交響曲です。このあとのベートーヴェンはピアノソナタ、弦楽四重奏曲を作曲するのみでした。
交響曲に独唱と合唱を入れる発想などベートーヴェンにしか考え付かなかった事です。しかし、ベートーヴェンはこの新しい事を成し遂げます。
独唱、合唱を入れただけでなく、交響曲の演奏時間(70分)、ロマン派を思わせるような緩徐楽章の長大化、トライアングルなどの新しい打楽器の導入など、様々な常識を打ち破った事をこの作品に盛り込んだのです。
交響曲の概念を変えた『英雄』、交響曲の構成力・構造美が素晴らしい『運命』、そして『第九』では己のやりたかった事を全て試しました。どれもが時代の先頭を走ってきたベートーヴェンだからこそやり遂げられました。
先駆者ベートーヴェンが後世の作曲家たちに道を示したとも言えるでしょう。その影響はシューベルト、ブラームス、ブルックナー、マーラーなどの交響曲作曲家のみならず、ワーグナーやリストなどにも及んでいるのです。
交響曲第9番『合唱付き』おすすめの1枚
フルトヴェングラー指揮バイロイト祝祭管弦楽団他(1951年、ライヴ)
ここは素直にフルトヴェングラーの名盤を挙げておきます。「バイロイトの第九」として常に語られてきた名盤です。テンポが揺れ動くフルトヴェングラーならではの演奏で、実際にこの演奏に立ち会えた方々の幸運を羨ましく思います。
新しい録音で言えばバーンスタイン/VPOを挙げておきましょう。この作品の持つ壮大さやVPOの音の美しさなどが感じられます。
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ピアノ協奏曲第5番『皇帝』
『皇帝』は数多くあるピアノ協奏曲の中でもナンバー1の作品ではないでしょうか。まさに『皇帝』と呼ぶにふさわしい作品です。
ピアノ協奏曲第5番『皇帝』について
『皇帝』はロマン・ロランいうところの「傑作の森」の1曲です。この作品の作曲中にナポレオンのウィーン侵攻があり、ベートーヴェンも避難を余儀なくされました。
ベートーヴェンは弟の家の地下室で『皇帝』の作曲を続けます。彼の難聴が酷くなったのは、この時の砲弾の音が影響しているとも言われていますが、真相は明らかではありません。
1809年に作品は完成し、1811年に初演されています。初演は不評で、それ以降、この作品はベートーヴェンの存命中に演奏される事はありませんでした。
この作品が復活するのはリストの時代です。リストがこの作品を好み、繰り返して自分の演奏会で演奏した結果、この作品の評判が上がっていきました。リストがこの作品の育ての親ともいえるでしょう。
リストがこの作品に興味を示さなかったら、今でも我々はこの作品を音楽史上の単なる一作品として扱っていただけかもしれません。
タイトルの由来は諸説ありますが、出版社が名付けたという説が有力です。楽譜をより多く売るためにはタイトル付きの作品の方がいいわけで、今で言えば出版社のコピーライターがっこいい名前を付けて売り出したのだと思います。
ベートーヴェンはタイトルについて何も言っていませんが、出版時に無許可でタイトルが付けられていれば、ベートーヴェンは抗議したはずですから、なんの抗議もなかったということはベートーヴェン自身もこのタイトルに納得していていたのでしょう。
ピアノ協奏曲第5番『皇帝』おすすめの1枚
ツィメルマン(P)、バーンスタイン/ウィーン・フィル(1989年、ライヴ)
1989年の録音です。私がこのCDを聴いてからもう30年以上経ってしまいました。歳を取ってしまうわけですね。今聴いてもバーンスタインの円熟さと30代半ばのツィメルマンが上手くハマった演奏を披露してくれています。
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ヴァイオリン協奏曲
ベートーヴェンでさえ『ヴァイオリン協奏曲』は生涯で1曲のみです。ピアノと違ってヴァイオリンには難しい要素があるのでしょうか。
ヴァイオリン協奏曲について
『ヴァイオリン協奏曲』の王者として君臨し、メンデルスゾーン、ブラームスのものと合わせて「三大ヴァイオリン協奏曲」と呼ばれます。ベートーヴェンの中期の傑作です。
ベートーヴェン自身はヴァイオリン演奏が下手でした。それ故、ヴァイオリンの楽曲も少ないのではないのかと言われています。その事が正しいのかどうかをここで論じるつもりはありませんが、それは一理あるかもしれません。
この作品は友人のヴァイオリニスト、フランツ・クレメントの依頼により作曲されました。この依頼がなかったなら、ベートーヴェンは『ヴァイオリン協奏曲』を書いてはいなかったと思われます。
この作品の作曲は思うように捗らず、クレメントの演奏会ギリギリに仕上がりました。クレメントはほとんど初見で見事にこの作品を演奏したと言われています。
ただ、初演は不評でした。その理由はヴァイオリンの活躍場面が少なすぎた事と、長大すぎる協奏曲だったからです。この作品の冒頭は3分半ほどオーケストラのみで演奏されます。ヴァイオリンはどうしたのとツッコミを入れたくなります。
ベートーヴェンにすればヴァイオリンとオーケストラが対等に火花を散らすような作品を思い描いて作曲したのですから、こうなるのは当然の事でした。当時にすれば斬新すぎた事で理解されなかったのです。
この作品が現在のように人気が出るのは、19世紀半ばまで待たねばなりませんでした。
ヴァイオリン協奏曲 おすすめの1枚
ヘンリック・シェリング(Vn)、シュミット=イッセルシュテット/ロンドン響(1965年)
昔からこの作品の名盤として慕われてきました。ベートーヴェン『ヴァイオリン協奏曲』はかく弾くべしという演奏です。シェリングの素晴らしさがでている1枚。これは聴いておかねばならない演奏です。
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ピアノソナタ第32番
『ピアノソナタ第32番』はベートーヴェン最後のピアノソナタになります。このあとは『荘厳ミサ』と『第九』を発表し、最後は『弦楽四重奏曲』をメインに作曲する事になります。
ピアノソナタ第32番について
ベートーヴェンは最後に2楽章制という形式を取り入れました。ベートーヴェンが辿り着いたピアノによる集大成です。ベートーヴェンはこの第2楽章を書いたあと、第3楽章は不要だと思ったのではないでしょうか。
第1楽章と第2楽章の対比が面白い作品であり、特に第2楽章はベートーヴェンが「悟りの境地」に達したかのような幸せな音楽です。どこにも力みが入らない自然体の音楽になっています。
この音楽でベートーヴェンはピアノソナタはもうやりきったと思ったに違いありません。だからこそ、ピアノソナタに未練がなくなったと思うのです。この後は、『ディアベリ変奏曲』などの限定的なものしか発表していません。
ピアノソナタ第32番 おすすめの1枚
ヴィルヘルム・バックハウス(1961年)
これは難しい選択です。そんな中で私はバックハウスを選択しました。バックハウスのベートーヴェンは1度は聴いておかねばならないスタンダードな録音だと思います。これを聴いた上で、ケンプ、ミケランジェリ、グルダなどの演奏に接するのが良いのではないでしょうか。
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弦楽四重奏曲第14番
弦楽四重奏曲の中でも13番から15番は特に傑作と呼ばれる作品であり、ベートーヴェンが辿り着いた音楽の最高峰とも言えます。ベートーヴェンは交響曲、ピアノソナタ、弦楽四重奏曲の3本柱で非常なる音楽の高みに到達したのです。
弦楽四重奏曲第14番について
出版の関係で番号は14番となっていますが、実際には13番、15番、14番の順に作曲されています。13番と15番は依頼されて作曲しましたが、14番は自分のために作曲しました。
ベートーヴェンが亡くなる1年前です。この次の『弦楽四重奏曲第16番』が生涯最後の作品になってしますが、この第14番はそれをも凌ぐ傑作となっています。
ベートーヴェン自身の会心の作品で、自分でも自信があったのか「ありがたいことに、創造力は昔よりもそんなに衰えてはいないよ」と友人に語ったそうです。
シューベルトはこの作品を聴いて「この後に、私たちは何を書けるのだ?」と語り、シューマンは「言葉にならない。人間の芸術と創造で成し遂げられる極限にきている。」と語ったほどで、この作品の出来栄えが凄い事が分かります。
楽曲の構成は7楽章と膨れ上がり、ベートーヴェンのやりたい事を惜しみなく全て注ぎ込んだ作品です。古典的な様式を打ち壊し、ロマン派に繋がる道筋をつけた作品とも言えるのではないでしょうか。
第1楽章をきわめて長い序奏、短い第3、第6楽章を楽章連結の経過句とみなして、広い意味で4楽章制とする見方をする専門家もいます。
楽章数もそうですが、全楽章切れ目なく演奏される事も珍しいです。その中でも第5楽章と第7楽章は他の楽章とは違って、独特の感情表現となっています。
弦楽四重奏曲第14番 おすすめの1枚
アルバン・ベルク四重奏団(1983年)
美しい演奏です。彼らのアンサンブルはベートーヴェンの正統派演奏とでも言うべき名盤になっています。全集版でも彼らの演奏のものが一番かと思います。おすすめです。
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ヴァイオリンソナタ第9番『クロイツェル』
世にある『ヴァイオリンソナタ』の中で最高の出来栄えの作品です。ベートーヴェンが目指したヴァイオリンとピアノが対等に渡り合う『ヴァイオリンソナタ』の第1号と言えます。
ヴァイオリンソナタ第9番『クロイツェル』について
ベートーヴェンは『ヴァイオリンソナタ』を10曲作曲しました。「クロイツェル」はその中の9番目にあたります。ベートーヴェンとしてはこの「クロイツェル」で『ヴァイオリンソナタ』については最後にするつもりでした。
第10番は友人のヴァイオリストに依頼されたため、仕方なくペンを執ったと言って良さそうです。
古典派の時代、モーツァルトまでは『ヴァイオリンソナタ』はヴァイオリンが主役ではなく、ピアノが主役でした。『ヴァイオリンのオブリガート付きピアノ・ソナタ』という名称が今の『ヴァイオリンソナタ』の事です。
ベートーヴェンはその扱いを変えたのです。ヴァイオリンとピアノを対等な関係にして、その丁々発止を楽譜に記しました。それがこの「クロイツェル」です。
『ヴァイオリンソナタ』の革新的進化をベートーヴェンが成し遂げました。ベートーヴェン以後の作曲家の『ヴァイオリンソナタ』はこのベートーヴェンに習い、ヴァイオリンのための『ヴァイオリンソナタ』を作曲するようになったのです。
ヴァイオリンソナタ第9番『クロイツェル』おすすめの1枚
ユーディ・メニューイン(Vn)、ウィルヘルム・ケンプ(P)
この二人のコンビはベストフィットという感じです。メニューインのヴァイオリンは気迫に溢れていますし、ケンプの伴奏も流石は大家の貫禄を見せています。カップリングの『春』も素晴らしいです。
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歌劇『フィデリオ』
ベートーヴェンが作曲した唯一の歌劇です。最初は『レオノーレ』というタイトルでしたが、人気が出ず、何度も書き直した末『フィデリオ』というタイトルに変更してようやく聴衆たちの人気を得ました。
歌劇『フィデリオ』について
難産の末に生まれた歌劇です。当初はベートーヴェンが全3幕のもので『レオノーレ』というタイトルに拘り続けました。ただ、劇場側は同名の歌劇が既にあることから『フィデリオ』というタイトルにしたいと難色を示したのです。
それでもベートーヴェンは『レオノーレ』を上演しました。結局舞台は失敗の連続で、ベートーヴェンは何度も改訂を行い上演したのです。
しかし、上手く行かず、最後は全2幕にし、『フィデリオ』というタイトルも受け入れます。それでようやく少しずつ人気を博すようになったのです。『フィデリオ』にしてからも改訂を行い、現在のような完成版になるのには時間がかかりました。
現在では、ベートーヴェンの唯一の歌劇として、世界の主要な歌劇場の重要な演目となっています。
歌劇『フィデリオ』おすすめの1枚
レナード・バーンスタイン/VPO、ルチア・ポップ(Sop)、グンドゥラ・ヤノヴィッツ(Sop)他(1978年)
正直なところ、私はオペラが苦手で、『フィデリオ』はベーム盤、カラヤン盤とここに挙げたバーンスタイン盤しか聴いたことがありません。その中ではバーンスタイン盤が最も充実しているように感じました。キャストの豪華さは眼を見張るものがあります。
ミサ・ソレムニス
最後は宗教音楽の代表作で締めましょう。ベートーヴェンは経験なクリスチャンではなかった事もあり、宗教音楽は数少ないジャンルです。しかし、この『ミサ・ソレムニス』はこの1曲だけでも異彩を放つような素晴らしい作品になりました。
ミサ・ソレムニスについて
ベートーヴェンはミサ曲を2つ作曲しています。『ミサ曲はハ長調』作品86、そしてこの『ミサ・ソレムニス』です。作品86は純粋に教会のミサに使えるような音楽ですが、『ミサ・ソレムニス』は教会の儀式で使うような作品ではありません。
ワーグナーはこの作品を「真正なベートーヴェン的精神を持つ、純粋な交響的作品」と評しました。つまりは、教会で歌うミサとは違うのだという考えです。
この作品を初めて聴いた時、私は神様が驚いてしまうのではと思ったほどですが、教会内に留めておくような音楽ではない事は確かではないかと思います。
ベートーヴェンはミサ曲の典礼に基づき、形式通りに作曲していますが、彼はミサよりもコンサート会場での演奏を意識して作曲したのではないでしょうか。
純粋なミサ曲かどうかは様々な意見がある事も承知していますが、斬新さに溢れたこの作品で果たして通常の典礼が行われるのかどうか詳しい方に一度お聞きしたいと思います。
作曲の経緯はパトロンのルドルフ大公が大司教になる事に端を発します。大司教就任式にこの作品を贈ろうと作曲を始めましたが、アイデアが次から次と湧いてきて、なかなか作曲が終わらなかったのです。
就任式に間に合うどころか、完成を見たのはそれから2年半後でした。晩年のベートーヴェンは衰えるどころか、気力満々だったようですね。ルドルフ大公がこの作品を実際に耳にしたかどうかは分かっていません。
いずれにせよ、この作品はベートーヴェン的な壮大な音楽であり、それまでにはなかった革新的な宗教曲と言えるでしょう。
ミサ・ソレムニス おすすめの1枚
ヘルベルト・フォン・カラヤン/BPO他(1985年)
カラヤンは4回この作品を録音していますが、その最後のものです。1966年盤も名盤と思っていますが、この最後の録音も格調高く優れています。


まとめ
ベートーヴェンの聴いておきたい作品を10曲挙げました。主要なるジャンルからそれぞれの代表作を挙げたわけですが、名曲・傑作ばかりで驚きです。
ベートーヴェンとはかくの如く凄い作曲家だった事を改めて思い知らされています。楽聖と呼ぶに相応しい人物です。
どのジャンルでも神のいる高みへと音楽を引き上げた唯一無二の人物でした。我々はそのベートーヴェンの音楽に気軽に触れる事のできる幸せを感謝したいと思います。