クラリネット奏者ランキング

クラリネット奏者の事を正式にどう呼ぶかご存じですか。クラリネッティストと呼ぶのですが読みにくいですよね。ですからここでもクラリネット奏者で通します。

世界には腕っこきのクラリネット奏者が目白押しです。しかし、ピアニストやヴァイオリンと違ってソリストとして活躍するにはあまりにも楽曲が少ないため名手でも知られていない奏者が多いのも事実です。

そこで今回はクラリネット奏者のランキングを発表します。ソリストやオーケストラで活躍している奏者が多いことをもっと知ってほしいと思います。

クラリネット奏者の事を「クラリネッティスト」と呼ぶのですね。
「フォルテシッシモ」のようで呼びにくいから、普通にクラリネット奏者にします。

ランキング基準

  1. 音色が素晴らしい事
  2. テクニックに優れている事
  3. 人を引き付ける魅力を感じる事
  4. 音楽的才能に溢れている事

第10位アレッサンドロ・カルボナーレ

アレッサンドロ・カルボナーレ

名前:Alessandro Carbonare
生年月日:1967年9月3日
出身地:イタリア
学歴:ヴェローナ音楽院
略歴

フランス国立管弦楽団首席を15年間務めた後、2003年よりローマのサンタ・チェチーリア国立音楽院管弦楽団の首席奏者を務める。国際コンクールで入賞多数。ジャズ演奏もこなす。アバド指揮ルツェルン音楽祭におけるモーツァルト協奏曲のライブ収録は、2013年第51回レコード・アカデミー賞を獲得。

オーケストラの演奏だけに留まらず、ビビエナ木管五重奏団を結成して室内楽も盛んに行っています。演奏活動も活発ですが、後進の指導も忘れてはいません。ベルリン・フィルの音楽監督だったアバドも認めたヴィルトゥオーゾ・クラリネット奏者です。

第9位セバスティアン・マンツ

セバスティアン・マンツ

名前:Sebastian Manz
生年月日:1986年?月?日
出身地:ドイツ
学歴:リューベック音楽大学
略歴

7歳からクラリネットを始め、めきめきと頭角を現した天才的クラリネット奏者。ザビーネ・マイヤーにも師事しています。2008年9月のミュンヘン国際音楽コンクール・クラリネット部門の第1位、聴衆賞や他の特別賞を獲得。2010年よりシュトゥットガルト放送交響楽団(現在は南西ドイツ放送交響楽団となった)でソロ・クラリネット奏者を務めています。

ミュンヘン国際音楽コンクールは滅多に第1位を出さない事で有名ですが、彼はクラリネット部門で40年ぶりの第1位を獲得しました。コンクールの様子をYouTubeで見ましたが、テクニックに優れ、音色も素敵でした。このまま順調に才能を披露して貰いたいです。

第8位ペーター・シュミードル

ペーター・シュミードル

名前:Peter Schmidl
生年月日:1942年1月10日
出身地:チェコ
学歴:ウィーン国立音楽大学
略歴

祖父、父、本人と3代に渡ってウィーン・フィルの首席奏者となりました。1967年よりウィーン国立音楽大学教授。ソリストとしても活躍し世界の著名オーケストラとの共演多数。室内楽でも活躍、録音も多く残しています。

ウィーン・フィルの首席だったのですから腕前は確かです。バーンスタインとやったモーツァルトのクラリネット協奏曲(1987)の映像は素晴らしいです。音色も綺麗ですし、クラリネットの出来る事をやり遂げています。

第7位ヴェンツェル・フックス

ヴェンツェル・フックス

名前:Wenzel Fuchs
生年月日:1963年3月19日
出身地:オーストリア
学歴:ウィーン国立音楽大学
略歴

ウィーン・フォルクスオーパー交響楽団、ウィーン放送交響楽団を経て、1993年、ベルリン・フィルの首席クラリネット奏者に就任。ソリストや室内楽でも活躍しており、またベルリンだけでなく、世界各地でマスタークラスを開催しています。奥様は日本人です。

アバドの時代からベルリン・フィルの首席クラリネット奏者として同楽団を支えてきました。音色も良いですし、テクニックもあります。表情の付け方も上手いですし、伊達にベルリン・フィルの首席を張っていないぞといった演奏をしています。

第6位ダニエル・オッテンザマー

ダニエル・オッテンザマー

名前:Daniel Ottensamer
生年月日:1986年7月26日
出身地:オーストリア
学歴:ウィーン国立音楽大学
略歴

6歳からピアノ、チェロを始め、その後クラリネットに転向しました。現在ウィーン・フィルの首席です。オッテンザマー家はクラリネット音楽一家で、父エルンストは長年ウィーン・フィルの首席を務め、弟アンドレアスは現在ベルリン・フィルの首席を務めています。

音色に特徴を持つクラリネット奏者です。ウィーンの伝統を伝えるエーラー式という楽器を使っています。私はクラリネットを吹いた事が無いので詳しくはありませんが、良く使われているベーム式より運指が難しいそうです。流石は伝統を守るウィーンなのですね。

第5位アンドレアス・オッテンザマー

アンドレアス・オッテンザマー

名前:Andreas Ottensamer
生年月日:1989年4月4日
出身地:オーストリア
学歴:ウィーン国立音楽大学
略歴

ダニエル・オッテンザマーの弟です。4歳からピアノ、10歳からチェロ、14歳からクラリネットを始めました。ベルリン・ドイツ交響楽団首席クラリネット奏者を経て、2011年(21歳)からベルリン・フィル首席クラリネット奏者を務めています。

音色が綺麗で豊かさも兼ね備えています。稀に見る逸材かと思われます。兄よりも上として第5位としましたが、どうでしょうか。兄がウィーン・フィルの首席で、自分はベルリン・フィルの首席なんてファンタスティックの一言に尽きます。

第4位ザビーネ・マイヤー

ザビーネ・マイヤー

名前:Sabine Meyer
生年月日:1959年3月30日
出身地:ドイツ
学歴:シュトゥットガルト音楽院
略歴

ザビーネ・マイヤー事件で一躍世界に名前が売れました。カラヤンとベルリン・フィルの確執の元を作った事で本人もあの時期は辛かった事でしょう。カラヤンが気に入ったクラリネット奏者ですから、その後はソリストとして多忙な日々を過ごしています。

音色も素敵で、テクニックもありますし、マイヤー独特の音の伸ばし方など才能を感じます。あのベルリン・フィルとの騒動で、オーケストラ側が拒否した理由は正しかったのか今でも分かりません。しかし、ソリストとしてここまで輝いているのですから、女性はたくましいですね。

マイヤーもカラヤンとベルリン・フィルの問題に巻き込まれて大変でした。
カラヤンの立ち回りが高圧的でなかったら、ベルリン・フィル最初の女性団員として活躍していたかもしれない。

第3位ポール・メイエ

ポール・メイエ

名前:Paul Meyer
生年月日:1965年3月5日
出身地:フランス
学歴:パリ音楽院
略歴

13歳でソリストとしてデビュー。フランス国内外のコンクールで優勝後、1984年ニューヨークデビュー。完璧な技術とずば抜けた音楽性、品の有る豊かな音色を併せ持つ天才クラリネット奏者として知られています。現在は指揮活動も多く、多彩な才能を見せています。

現役最高のクラリネット奏者として彼の名を挙げる人も多くいます。テクニックも音色も素晴らしい。その上にイケメンというのもセールスポイントになっています。クラリネット奏者として一つの目標となる人物です。

第2位カール・ライスター

カール・ライスター

名前:Karl Leister
生年月日:1937年6月15日
出身地:ドイツ
学歴:ベルリン芸術大学
略歴

11歳からクラリネットを始め、ベルリン芸術大学で学びました。19歳でベルリン・コーミッシェ・オーパー管弦楽団の首席。その後、22歳でベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の首席奏者に就任、1993年まで務めました。カラヤンの響きを支えたひとりです。

ライスターといえばカラヤンの映像に良く映っていて、その音色やテクニックは完璧で昔から驚くべきものがありました。何といってもベルリン・フィル黄金時代を作ってきた人物です。サイトウ・キネン・オーケストラにもよく顔を出しています。

第1位リチャード・ストルツマン

リチャード・ストルツマン

名前:Richard Stoltzman
生年月日:1942年7月12日
出身地:アメリカ
学歴:コロンビア大学
略歴

大学院卒業後、プロオーケストラの採用に応募するも落選、一時は音楽家になるか歯医者になるか悩んだといいます。1967年以来10年に亘ってマールボロ音楽祭に参加し、そこで出会ったピーター・ゼルキンらとともに1973年にアンサンブル「タッシ」を結成。その後もクラシック音楽以外にジャズも経験し、世界的クラリネット奏者として名声を高めました。

現在のクラシック音楽界では、最も有名なクラリネット奏者です。ダイナミクスが大きく、ビブラートを上手く使い分けています。これだけ卓越した技術を持ったクラリネット奏者はそういません。演奏とは別に彼の話を聞いていると温かみが感じられ、優しさに満ちた人柄と分かります。

NO.1とNO.2は大ベテランが選ばれました。実績が違いますからね。
第1位は皆が納得する結果だろう。オーケストラ、特にベルリンとウィーンの首席が多かったのも特徴だな。

まとめ

私の考えるクラリネット奏者をランキング形式で10人見てきました。現時点の私の評価はこうなりました。なるべく現役で活躍されている方に重きを置いたので、故人も含めるとまた違った結果になったと思います。

30代から80代までの幅広い年齢層になっています。その中でも30代から50代の働き盛りのクラリネット奏者も多く、今後のクラリネット界は安心できる思いです。

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