
日本のクラシック音楽離れが深刻であると度々ニュースなどで拝見しますが、果たして本当にそうなのでしょうか。クラシック音楽を聴き始めて数十年、コンサート会場の雰囲気に変わりはなく、相変わらず海外オーケストラの公演は完売状態でプラチナチケットと化しています。
演奏家も若手実力派が多く登場していますし、複数の海外オーケストラが公演を行う世界的にも数少ないクラシック愛好国家こそ日本だと思っています。ベルリン・フィルを始め、本当に多くのオーケストラが来日する事からも日本はクラシックが盛んな国と考えられている事がわかります。
そんな中、HMVが過去に行ったクラシック音楽に関する意識調査の結果が非常に興味深かったので紹介していきたいと思います。メディアなどが取り上げているイメージとは大きく違っていてクラシック愛好家にはうれしい結果となっていますのでぜひお楽しみください。
クラシック音楽に関する意識調査
日本有数のCDショップ「HMV」が男女比はほぼ半々、10代から60代までの幅広い年齢層に行った調査結果です。全2,621人の協力によって非常にリアルな調査結果が生まれました。
日頃からクラシックを愛好している人と、全くクラシックを聴かない人たちにも調査は行われているので分けて紹介していこうと思います。
ノンクラシックユーザーへの質問と答え
クラシック音楽専門サイト「otomamire」のライターとしてはこの調査結果は非常に気になるのと同時に、日本クラシック界の今後を占うような内容なので非常にドキドキしてしまいました。
もう結論から言ってしまうと、日本のクラシック音楽の未来は明るいです!日本国民の多くはクラシック音楽に対し、悪い印象を持っていないようです!それどころかクラシックに多かれ少なかれ興味や好印象を抱いているという結果がわかりました。
メディアでは大げさにクラシック離れが取り沙汰されていますが、そんな事は一部の偏った考えなのだと調査結果が教えてくれています!ぜひ意識調査の結果をお楽しみください!
質問1.普段聴いている音楽以外に聴いてみたいジャンルは?
・ジャズ:31.0%
・クラシック:18.0%
・ロック(洋楽):11.0%
・その他:7.0%
・R&B:7.0%
・J-POP:7.0%
・ロック(日本):5.0%
・テクノ:4.0%
・アジア:4.0%
・ヘビーメタル:4.0%
・ヒップホップ:2.0%

クラシック音楽って難しそうだけど実は興味があるんだー!
音まみれスタッフ:この結果はクラシック好きとして非常に喜ばしいと感じました!クラシック音楽から若者が離れてしまっているという事実は多かれ少なかれあるのかもしれませんが何と20%近い人がクラシックに興味を持っている事実が浮上しました。
第一位のジャズは30%を超えていますが、どちらも専門性が高く、演奏をメインとした音楽である事がわかります。
質問2.クラシックのイメージといえば?
・癒し:28.0%
・知的:18.0%
・高尚:11.0%
・敷居が高い:9.0%
・その他:7.0%
・長い:6.0%
・おごそか:6.0%
・堅苦しい:6.0%
・大人:4.0%
・眠い:4.0%

癒される~ってイメージの人が多いんだね!わかるわかるー!
音まみれスタッフ:眠いや堅苦しいというイメージを持つ人が多いのかと懸念していたのですがトップ3はまさかの好印象でした!4番目に「敷居が高い」というイメージを持たれてる方が多いようですが、クラシック音楽って実はTシャツジーパンで聴きに行けるカジュアルなコンサートもたくさんある事をぜひ知ってほしいなと感じました。
クラシック音楽離れどころか大半がクラシック音楽にたいしてプラスの印象を持っている事がわかります!
質問5.これからクラシックを聴いてみたい?
・既に聴いている:24.0%
・過去に聴いた事がある:21.0%
・いつかは聴いてみたい:16.0%
・聴いてみたいが何から始めていいかわからない:11.0%
・聴いてみたいが知識がない:6.0%
・聴いてみたいがきっかけがない:6.0%
・聴きたいと思わない:3.0%

実はクラシックを聴いてみたい人って多いんだね!
音まみれスタッフ:クラシックファンとは言えないまでも、日常のどこかでクラシック音楽を取り入れている人って実は多いんですね。たしかにクラシック好きもクラシックしか聴かないわけではないですもんね。興味や関心がある人が多くて驚きの調査結果でした!
クラシック音楽を聴いてみたいけどきっかけがない人が多い事もわかります。たしかに知識が多少ないとつまらなく感じてしまうのも事実なので、音まみれとしてはもっとたくさんのクラシックビギナーが気軽にクラシック音楽を聴くきっかけとなれるようなコンテンツの充実をはかっていこうと思います。
質問4.クラシックを身近に感じる(感じた)ものといえば?
・のだめカンタービレ:24.0%
・映画音楽:21.0%
・フィギュアスケート:16.0%
・CMの曲:11.0%
・レストランや結婚式場のBGM:6.0%
・学校や地域のブラスバンド:6.0%
・POPSのアレンジ曲:3.0%
・辻井伸行:2.0%
・電話の保留音や着信音:2.0%
・1Q84:1.0%
・その他:8.0%

クラシックって実は色々な所で聴いてるよね!私ものだめ大好きだった!
音まみれスタッフ:クラシックファンとしても「のだめカンタービレ」は印象に残る作品です!多くのノンクラシックユーザーをクラシックファンに変えるほどの影響力を持った作品だったと思います。クラシック好きが観ても納得の非常に本格的な作品でした。
のだめだけじゃなく、実はクラシック音楽って日常の様々な所に存在している事がわかります!普段当たり前のように観ている映画やスポーツの中でもクラシック音楽やオーケストラの演奏が使われる事が多いです。何気なく観ているCMにもクラシック音楽が使われている事が多いのでぜひもっと注目して聴いてみてほしいと思います。
質問5.ジャンルに関わらず、持っているCDの枚数は?
・201~500:25.0%
・500~1000:19.0%
・101~200:18.0%
・51~100:15.0%
・11~50:11.0%
・1000枚以上:9.0%
・0~10:3.0%

ほとんどの人が100枚以上CDを持ってるんだね!私は何枚ぐらい持ってるかな?
音まみれスタッフ:クラシック愛好家と比較すると非常に面白い結果だと思います!クラシックファンは何と1000枚以上CDを持っている人が3割を超えています!
クラシック音楽はジャンル全体で非常に種類が多く、同じ楽曲でも演奏している演奏家や指揮者によって全く違う音楽になるので、たくさんCDを購入する人が多い事がこのような結果に繋がったのでしょう。逆に特定の歌手やグループだけのCDで500枚以上を所有している人が多いのもすごいと感じました。
クラシック愛好家への質問と答え
次にクラシックを心から愛し、ベートーヴェンという言葉が聞こえたら思わず振り返ってしまうようなクラシック音楽ヘビーユーザーへのアンケート結果を紹介していきたいと思います!音まみれ読者の皆様も共感できる答えが多く出てくるのではないでしょうか!
質問1.クラシックの魅力を一言で言うと?
1位:「奥深さ」
2位:「癒し」
3位:「美」
4位:「飽きがこない」
5位:「多様性」

クラシック音楽は奥深く、本当に美しい音楽なんですよ。
音まみれスタッフ:答えの中で印象に残ったのは「音楽の究極系」という言葉でした。たしかにーという声がたくさんあがり、クラシック話に花が咲きました。その他にも「歴史を感じる」や「革新的」などの言葉も多く聞かれました。
質問2.クラシックに興味を持ったきっかけは?
・家族の影響で:19.9%
・楽器を習って:19.0%
・学校の授業で:11.1%
・友人の影響で:8.9%
・なんとなく:8.6%
・TVや映画の影響:8.2%
・CDを聴いて:7.0%
・コンサートに行って4.0%
・本の影響で:2.3%
・その他:11.1%

身近なきっかけからクラシック音楽愛好家になる事が多いようですね。
音まみれスタッフ:家族の影響はやはり大きく、両親がクラシックが好きだったからという人は多かったです。あとはピアノやヴァイオリンを始めた時にクラシック音楽に触れる人も多いようですね。友人や恋人の影響で紹介してくれた友人・恋人以上のクラシック好きになったというスタッフも多かったです。
質問3.一番好きな作曲家は?
1位:ベートヴェン
2位:バッハ
3位:モーツァルト
4位:マーラー
5位:ブルックナー

ベートーヴェンは年間でオーケストラに演奏される事が最も多い作曲家なんです。
音まみれスタッフ:やはり不動の人気を誇るベートーヴェン強しと言った所でしょうか。現代のコンサートにおいても最も演奏される作曲家であるベートーヴェンはクラシックファンから絶大な支持を得ています。スタッフ内でもベートーヴェンの名前は一番に挙がりました。
質問4.クラシックデビューにおすすめしたい作曲家は?
1位:モーツァルト
2位:ベートーヴェン
3位:チャイコフスキー
4位:ショパン
5位:バッハ

日常で聴いた事ある!と感じる楽曲を入り口にする事がおすすめですね。
音まみれスタッフ:HMV調べでは何と3割以上の段違いの支持率でモーツァルトが1位にになったそうです!音まみれスタッフの意見としてはやはり耳にした事のある楽曲が多く、顔も浮かびやすいベートーヴェンがビギナーにとっても一番良いのではという考えだったので少しこのアンケート結果は少し意外でした。
質問5.友達になれそうもない作曲家は?
1位:ベートーヴェン
2位:モーツァルト
3位:シューマン
4位:チャイコフスキー
5位:ワーグナー

どなたも素敵な方たちですが作曲家は風変りな人が多いのでお付き合いするのは大変かも。
音まみれスタッフ:作曲家の歴史などを勉強しているクラシック好きにしかわからない質問で非常に面白いと思いました。ヒーリングミュージックのイメージを持たれる事の多いクラシック音楽ですが、精神的に病んでいる作曲家が多く、楽曲も嫉妬や憎悪に満ちた楽曲も多いので、友達になるのは無理だよねという意見が大半でした。みんな気難しすぎる上に個性的過ぎて友達になるなんて不可能だと考えてしまいます。
質問6.クラシックのCD、何枚持っていますか?
・1001枚以上:33.4%
・501~1000枚:27.5%
・201~500枚:20.5%
・101~200枚:9.7%
・51~100枚:5.1%
・11~50枚:3.2%
・0~10枚:0.6%

30,000枚もクラシックCDを持っているという方もいたそうですよ。驚きですね。
音まみれスタッフ:1000枚以上のCDを保有している人が3割を超えると言う結果に!クラシックファンがいかに情熱を持ってクラシック音楽を聴いているかが顕著にわかります。スタッフ内でも半数以上が500枚以上保有しており、長い年月をかけて収集してきたことがよくわかります。また、CDだけじゃなくクラシックのために100万円以上オーディオにかけているというスタッフも結構いました。
質問7.クラシックの演奏会、1年に何回ぐらい足を運びますか?
・1~5回:49.3%
・6~10回:15.9%
・0回:15.6%
・11~20回:11.1%
・21~30回:5.2%
・31回以上:2.9%

クラシック愛好家の多くは実際にコンサートで生の演奏を楽しみたい人が多いみたいです。
音まみれスタッフ:なんと8割以上のクラシックファンが年間で1回以上はコンサートに通っているという結果となりました。実際これは驚異的な数字だと思います。スタッフ内でも月に3回以上は必ずコンサートに行く事をノルマとして30年以上達成している者や、海外オーケストラのコンサートを聴きに、毎年海を越えているという猛者もいました。
質問8.クラシックを聴くのにおすすめのシチュエーションは?
・ボーっとしている時:31.8%
・睡眠前:21.5%
・仕事・勉強中:9.4%
・通勤・通学:8.0%
・目覚め:4.3%
・食事:1.4%
・入浴中:1.0%
・スポーツ:0.3%
・その他:21.8%

ただボーっとしている時にクラシックを聴くことがおすすめのようです!
音まみれスタッフ:「ボーっとしている時」が1位でした。これはクラシックファンとして「ながら聴き」ではなくクラシック音楽としっかり向き合ってほしいと言う願いも込められた結果なのかもしれません。音まみれスタッフ内でもながら聴きはあまりおすすめしないというのが結論でした。静寂の中、ひとりでクラシックに没頭する、そんな聴き方がやはり一番クラシックの世界を最も深く感じられる方法だと思います。
質問9.クラシック好きが高じてやってしまった失敗は?
1位:CDを買いすぎてしまう
2位:無意識に指揮をしてしまう
3位:他ジャンルが聴けなくなった
4位:近所迷惑なほどの音量で聴いてしまう
5位:知識や雑学を語ってしまう

クラシック愛が強すぎてCDをたくさん買ってしまう人が多いみたいですね。
音まみれスタッフ:この結果も非常に面白いものでした。所有CD数にもありましたが、クラシックファンはついついCDを大量に購入する悪癖があるようですね。インターネットでクラシックを聴けるようになった現代においても、やはりCDを買ってしまいます。私個人としては、買い過ぎているという感覚はなかったので気を付けなければいけないなと感じました。あと無意識に指揮をしてしまうのはスタッフ満場一致でした。
質問10.クラシックを聴いてから何か良いことがありましたか?
1位:感性が豊かになった
2位:趣味が持てた
3位:リラックスできるようになった
4位:仕事や勉強に集中できるようになった
5位:友人が増えた

クラシック音楽の奥深い音色は感性を豊かにするのかもしれません。
音まみれスタッフ:様々な意見があって非常に面白い結果だと思います。特に「感性が豊かになった」というのはクラシック好きの多くがクラシック音楽が持つ歴史や、バレエなどの舞台芸術にも興味を持ったり「音楽」をより深く理解しようとする姿勢からくるものだと考えると喜ばしい限りです。敷居が高いと言われる事も多いですが、クラシックの世界はたくさんの「イイ事」が詰まってるので是非クラシックファンがもっともっと増える事を願っています。
まとめ
いかがだったでしょうか?クラシック音楽離れなどと世間では言われていますが、クラシックファンのクラシック愛に変わりはないようです。そしてクラシックを日頃聴かない人も興味を持ってくださっている方が大半のようです。
また是非このような面白い意識調査をHMVジャパンさんが行ってくれる事を期待しています。
上記の調査結果はHMVジャパン調べによるものです!元の記事をお読みになりたい方はこちらからどうぞ!