クラシック音楽『世界三大〇〇』

世界三大河川といえば、「アマゾン川」「ナイル川」「ミシシッピ川」ですが、人間とは殊の外三大〇〇とつけるのが好きな生き物のようですね。

他にも世界三大瀑布とか世界三大夜景など様々な世界三大〇〇が存在します。そんな三大もあるのといった眉唾ものもあって面白いです。

それはクラシック界でも同じで、様々な世界三大〇〇がありますので、今回はそれをご紹介しましょう。

クラシック音楽の世界三大

クラシック音楽『世界三大〇〇』
作曲者を表す物から曲名についてまで、色々な世界三大〇〇が存在します。ほとんどが世界的に確定的な物ですが、人によって一部違う場合もありますので、遊びの積もりでお読み下さい。

クラシック音楽界でも三大〇〇が結構ありますね。
誰が名付けたか分からないが、自然と出来上がってきたのだろうね。

目次

ドイツ三大Bとは

偉大なるドイツの作曲家を指す言葉です。歴史上最も偉大な作曲家として今尚世界中から愛されており、彼らを超える人物は向こう100年出てこないだとうろと言われています。頭文字が3人ともBで始まるためこう呼ばれています。

バッハ(Bach)

最初の『B』はバッハです!18世紀のドイツで活躍した作曲家・音楽家。バロック音楽の重要な作曲家の1人。彼がこのドイツ三大Bに選ばれた理由はやはり現代呼ばれるクラシック音楽を確立した作曲家だからです!

宗教曲から数々の器楽曲まで多くの名曲を残しています。全作品は1,000曲以上になります。

ベートーヴェン(Beethoven)

次の『B』はベートーヴェンです!音楽史上極めて重要な作曲家であり、日本では「楽聖」とも呼ばれています。『第9』を始め、『運命』『田園』など数々の名曲を残した大天才です。

ブラームス(Brahms)

最後の『B』はブラームスです!19世紀ドイツの作曲家、ピアニスト、指揮者です。ドイツではベートーヴェンの正当な後継者と見られています。4つの交響曲や協奏曲などはまるでドイツ古典派のような曲です。

ブラームスはこじ付け感が漂いますね。
前者2人と比べるとそれは仕方がない事だよ。2人は偉大過ぎるからね。

ベートーヴェン三大ピアノソナタ

ベートーヴェン限定の三大〇〇です。ベートーヴェンが作曲したピアノソナタのうち、特に有名な3作を指す名称です。

元々はレコード会社の販売戦略が始まりとも言われています。当時のLPレコードに収録可能な曲であり、かつ人目を引きやすい表題の付いている曲から選ばれました。

『ピアノソナタ第8番「悲愴」』

ベートーヴェンの初期を代表する傑作として知られています。「悲愴」というタイトルはベートヴェン自身が付けました。作品が発表されてからは人気が高く、楽譜の売れ行きも好調でベートーヴェンの名声を高めた作品です。

『ピアノソナタ第14番「月光」』

「月光」というタイトルは詩人によって付けられました。ベートーヴェン自身はそれについて気に入っていなかったと弟子が書き残しています。

この曲はとある伯爵令嬢(14歳)に捧げられましたが、どうもベートーヴェンはその令嬢に恋をしていたらしいです。

『ピアノソナタ第23番「熱情」』

『熱情(アパショナータ)』という通称により有名で、ベートーヴェン中期の最高傑作のひとつとして名高いです。このあだ名も本人が名付けた物ではありません。

これら3曲はサブタイトルがあったから有名になったものです。
レコード会社の戦略が上手かったのだよ。LPの帯に「月光」と入れた方が分かり易いからね。

モーツァルト三大オペラ

こちらもモーツァルト限定です。この3曲ともモーツァルトの代表作であり、特に人気の高いオペラですのでモーツァルト三大オペラと呼ばれています。

『フィガロの結婚』

フランスの劇作家ボーマルシェが1784年に書いた風刺的な戯曲、ならびに同戯曲をもとにモーツァルトが1786年に作曲したオペラです。貴族を風刺した内容で、ウィーンでは不評でしたが、プラハでは大好評当時の聴衆には結構好評だったようです。

『ドン・ジョバンニ』

1787年に作曲したオペラです。モーツァルトは初演の前日まで「序曲」が書き終わってなく、徹夜して写譜屋に渡したそうです。モーツァルトはオペラ・ブッファ(喜劇的オペラ)と呼んでいますが、悲劇的な部分も多い作品です。

『魔笛』

モーツァルトが生涯の最後に完成させたオペラです。現在もモーツァルトのオペラの中で『フィガロの結婚』との人気を競っています。とにかく面白いオペラです。

モーツァルトのオペラの究極系がこの3オペラという事なのですね。
ほかにも名作のオペラが存在しますが、この3曲がモーツァルトの代表作なんだよ。

世界三大コンクール

3つとも世界に名だたるコンクールです。この3つは他のコンクールと違い大変権威がある為、世界三大コンクールと呼ばれています。

「ショパン国際ピアノコンクール」

5年おきに開催。ピアノのみのコンクールです。優勝、入賞者には世界的に有名なピアニストが大変多くいます。

「チャイコフスキー国際コンクール」

4年おきに開催。ピアノ、ヴァイオリン、チェロ、声楽部門があります。この中でもピアノ、ヴァイオリンについてはとてもレベルが高いコンクールです。

「エリーザベト妃国際コンクール」

不定期開催。ピアノ、ヴァイオリン、声楽、チェロ部門があります。このコンクールもピアノ、ヴァイオリンのレベルが高いコンクールです。

これら3コンクールは、三大〇〇の定番です。
3コンクール共に若手奏者にとってはソリストとしての勲章になるからね。

世界三大レクイエム

3曲とも大変有名な曲です。同じレクイエムと言っても、曲想やイメージが全く違った3曲です。その内容や音楽的価値からこの3曲は別格なのでこう呼ばれています。

モーツァルト

モーツァルト最後の曲になります。弟子のジュスマイヤーに残りの部分を託して、未完のままモーツァルトは逝ってしまいました。

弟子が本当にモーツァルトの意思に従って作っているのかどうかはもう確かめようもありませんが、それでも素晴らしい曲です。神がそこにいるように感じられます。

ヴェルディ

イタリアの文豪アレッサンドロ・マンゾーニのために作曲した『レクイエム』です。「最も華麗なレクイエム」と評されています。ロンドン初演時も「モーツァルトのレクイエム以来の傑作」とする新聞評が出ましたが、反対派もいました。

フォーレ

とても綺麗な『レクイエム』です。ヴェルディの『レクイエム』は神様がびっくりするような音楽ですが、フォーレの物は本当に神に対して(死者に対して)頭をたれているようなとても繊細で美しい曲です。

3曲共、素晴らしい傑作です。
レクイエムへの向かい方がこれだけ異なっているのも作曲家の宗教観と繋がるものがあるのだろう。

世界三大ピアノ協奏曲

ピアノ協奏曲にも三大〇〇があります。3曲とも名曲で人気があります。

ベートーヴェン『ピアノ協奏曲第5番「皇帝」』

文字通りピアノ協奏曲の「皇帝」です。こんなに雄大なピアノ協奏曲はベートヴェン以外作れません。

チャイコフスキー『ピアノ協奏曲第1番』

冒頭部分の金管とピアノの掛け合いは良くコマーシャルにも使われますから、知っている方も多くいる事でしょう。

グリーグ『ピアノ協奏曲』

この協奏曲も冒頭部分のピアノのメロディが大変素敵な名曲です。1度聴くと忘れられない協奏曲です。

3曲共に冒頭部分から引き込まれてしまう音楽です。
誰がこの3曲を決めたのだろう。グリーグをここに入れてみんなは納得しているのだろうか。

世界三大ヴァイオリン協奏曲

この3曲は誰もが納得する物でしょう。どれも名曲です。

ベートーヴェン『ヴァイオリン協奏曲』

ベートヴェンの大作であり、大変な名曲です。この壮大な音楽はやっぱりベートーヴェンにしか作曲できないものです。

ブラームス『ヴァイオリン協奏曲』

まるで交響曲のような協奏曲です。これもベートーヴェンに匹敵するぐらい素晴らしい名曲です。

メンデルスゾーン『ヴァイオリン協奏曲』

最初のヴァイオリンのメロディは1度聴いたら忘れられないほど素敵な物です。この曲も色々なコマーシャルに使われている物ですから、聴いた事のある人も多くいると思います。

これら3曲は定番ですね。
不動の3曲だね。これらはヴァイオリン協奏曲の代表作だよ。

世界三大チェロ協奏曲

チェロ協奏曲の三大〇〇は意見の分かれる三大シリーズです。2曲については衆目の一致するところですが、残り1曲はエルガー派とハイドン派に分かれます。

シューマン『チェロ協奏曲』

シューマン独特の一見地味な協奏曲ですが、名曲です。シューマンらしさが良く出ています。

ドヴォルザーク『チェロ協奏曲』

チェロ協奏曲と言ったらまず頭に浮かぶのがこの曲です。この曲も1度聴いたら心から離れなくなってしまう名曲です。

エルガー『チェロ協奏曲』

私はエルガーを選択しました。ジャクリーヌ・デュプレが演奏したこの曲を聴いてみて下さい。感動が伝わってきます。

人によってエルガーを選択するか、ハイドンを選択するかに分かれるのですね。
無理して三大〇〇としないで四大〇〇でいいと思うのだが、レコード会社や出版社にとっては売り上げにつながる問題なのだろう。

世界三大バレエ

バレエにも色々な演目がありますが、三大バレエというとチャイコフスキーの3曲に落ち着いてしまうのですね。

チャイコフスキー『白鳥の湖』

何といっても日本ではバレエと言ったらこの『白鳥の湖』ですよね。あの有名なメロディがすぐに頭に浮かんできます。やっぱりバレエの名曲はチャイコフスキーになってしまいますね。

チャイコフスキー『眠れる森の美女』

チャイコフスキー3大バレエの2番目の曲です。この曲も有名な曲がふんだんに使われていて、楽しそうなバレエです。

チャイコフスキー『くるみ割り人形作品71』

3部作の最後の曲ですが、私はこのバレエ曲が1番大好きです。この曲も色々な楽しい曲が沢山出て来て、全く飽きさせません。名曲です。

三大バレエといいながらチャイコフスキーだけの作品です。
チャイコフスキーのこの3曲はバレエ界にとって無くてはならない作品なのだよ。

世界三大交響曲

最後は交響曲で締めましょう。でも、いつも思うのが1曲は納得しますが、残り2曲はどうなのでしょうか。個人的には納得のいかない三大交響曲です。

ベートーヴェン『交響曲第5番ハ短調作品67』

皆が知っているあの「ジャジャジャジャーン」の曲です。こんなに音楽の構造が見事な曲を私は他に知りません。世紀を超えて演奏され続ける交響曲です。

シューベルト『交響曲第7番ロ短調D759「未完成」』

未完成だったがために余計有名になった曲です。2楽章とも素晴らしい音楽ですが、シューベルトはこの後に長い第3楽章、第4楽章を考えていたといわれています。未完であって良かった!

ドヴォルザーク『交響曲第9番ホ短調作品95「新世界より」』

ドヴォルザークがアメリカに行った時の印象を音楽にした有名な曲です。特に第2楽章は昔小学校の下校の曲だったので、演奏会に行ってもいつもここの部分では小学校の事を思い出してしまいます。

この3曲が定番ですが、なんか納得できない感じですね。
ベートーヴェンの『第5番』と他の2曲ではバランスが取れないと思うが誰が決めたのか不思議だ。

まとめ

まだまだありそうですが、今回はこのぐらいにしておきましょう。楽曲については全て素晴らしい曲なので、ぜひ聴いて頂きたいと思います。

三大〇〇ってクラシックにも意外に多くて驚きました。覚えておけばちょっと通振れます。ひとつでもふたつでも雑学として覚えていきましょう。

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