
クラシック音楽というものに心を奪われてきた私と「音まみれスタッフ達」と厳選に厳選を重ね、本当に聴いて欲しい50曲の協奏曲をお伝えしていこうと思います。色々な楽器を使った協奏曲がありますが、選出してみるとピアノ、ヴァイオリンの協奏曲がメインとなりました。
厳選した協奏曲は現在、私たちが心の底から素晴らしいと思う「名曲」たちです。選ぶ基準は特に設けず、純粋にクラシック好きたちが集まって、雑談を交わしながらクラシック音楽への想いを語り合った結果の50曲だとご理解いただければと思います。ぜひ最後までお楽しみください。
ピアノ協奏曲
J.S.バッハ:チェンバロ協奏曲第1番
本来チェンバロのために作曲されましたが、現在ではピアノで弾かれています。バッハのチェンバロ協奏曲の中で、最も完成度が高く有名な作品。1738年から1739年頃にかけて作曲されたと考えられています。
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番
若きベートーヴェンが作曲した実に爽やかで軽やかなピアノ協奏曲です。ひとつ気になるのがベートーヴェンの協奏曲は序奏が長いという事。ピアノ協奏曲なんだから、早くピアノの音色を聴かせてくれー!という気持ちにまってしまいます。
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番
この曲も長い序奏が付いています。ピアノが出てくるのは3分以上経ってからです。「傑作の森」の扉を開ける形となった作品。ベートーヴェンの独自性が感じられるベートーヴェン印がどこにも着いているような音楽です。
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番
いきなり独奏ピアノによる弱く柔らかな音で始めるという協奏曲。当時、これは聴衆の意表を突く画期的なものとされ、驚きと感動をもたらしたと伝えられています。ピアノとオーケストラが対話しているような素晴らしい協奏曲です。
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
ベートーヴェンの曲に限らず、全てのピアノ協奏曲の中で、最も豪華な雰囲気のある曲です。「皇帝」とはベートーヴェンがつけた物ではありませんが、まさにその言葉がぴったりと当てはまる楽曲です。
ブラームス:ピアノ協奏曲第1番
まるで交響曲みたいな楽曲です。初演以来「ピアノ助奏付き交響曲」と揶揄されていますが、第2番と比べるとヴィルトォオーソ的ではありませんが、十分魅力的な協奏曲だと思います。
ブラームス:ピアノ協奏曲第2番
ピアニストとしてのブラームスの完成と、作曲家としての巨匠の誕生を同時に印象付ける愛と自信に満ちた大作です。この音楽にはこれまでに積み重ねた経験と技術の全てが集約されて結実しています。まさにブラームスの傑作です。
ショパン:ピアノ協奏曲第1番
第1番とされていますが、実際には第2番より後に作曲されています。圧倒的にこちらの方が内容に優れていて、ショパンの自信作と分かる協奏曲です。名曲です!
グリーグ:ピアノ協奏曲
冒頭は何度聴いても感動してしまいます。ものすごく効果的で鮮烈な印象を与える出だしです。この協奏曲も名曲です!3大ピアノ協奏曲の1つなのも頷けます。
モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番
モーツァルトには珍しく、暗く不安げな旋律、劇的な展開、厳しさと激しさの入り混じった感情など、とても強い表現性を持った作品になっています。私はモーツァルトのピアノ協奏曲の中ではこの曲が1番好きです。
モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番
明るく美しい音楽が流れ、思わず口ずさみたくなるようなメロディが印象的です。モーツァルトのピアノ協奏曲に中でも特に人気の高い楽曲です。
モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番
古典派の傑作として知られているこの楽曲ですが、親しみやすいテーマで人気のある協奏曲です。モーツァルトはこの曲に限ってはピアノ・パートを先に書いたそうです。
モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番
とてもシリアスなモーツァルトです。短調という事もあって暗い独特のイメージを持った協奏曲です。これも好きな人にはたまらない楽曲のようですが、私は残念ながらモーツァルトのナンバー1とは思いません。名曲ですが・・。
モーツァルト:ピアノ協奏曲第27番
とても美しい名曲です。最晩年のモーツァルトの曲たちは、装飾的なものが少なく、清澄な、子供のように純真無垢な音楽と言われていますが、まさにこの協奏曲も例外ではありません。この楽曲も人気のあるものです。
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番
ピアノ協奏曲というジャンルにおいても、最も人気のある最高傑作の一つ。わかりやすい旋律美、完璧な構造、ピアノスティックな華やかさなど、非常に魅力的な作品です。
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番
とにかく美しいロシアの叙情。緊張感が高く、鬼のように難しいパッセージ。そして壮大でロマンチックな旋律。特に第3楽章が最高に素晴らしい曲。ピアニストには難曲といえますが、聴くほうにとっては名曲です。
ラヴェル:ピアノ協奏曲
ラヴェルが生涯かけて極め上げた、ピアノによる様々な技巧に加えて、打楽器による効果的な音響や管楽器によるキャッチーな旋律など、オーケストラ作品ならではの特色を備えている楽曲です。私の大好きな協奏曲のひとつです。
リスト:ピアノ協奏曲第1番
4つの楽章で構成されていますが、全曲を通じて連続して演奏されるもので、演奏自体20分もかかりません。特に冒頭の部分が私は気に入っています。
シューマン:ピアノ協奏曲
ピアノ協奏曲の中でもちょっと異色な感じの楽曲です。シューマン的なといってしまえばそれまでなのでしょうが、技巧的でもなく、ピアノがソロも伴奏も手伝っているよう。それでいて素敵な協奏曲になっています。
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番
冒頭に響く雄大なスケール感と、ピアニズムの極致と言われるようなヴィルトーゾ演奏は素晴らしいです。非常に技巧的な困難を伴うと同時に、成功すればこれ以上ないというほどの派手な演奏効果が上がる曲です。3大ピアノ協奏曲のひとつです。
ヴァイオリン協奏曲
ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲「四季」
ご存知、皆さん知っている「四季」です。季節ごとにそれぞれ特徴が良く出ていて、良く出来上がっていると思っています。「通」の方には「こんなの選んだの」と突っ込まれそうですが、これも入れました。
J.S.バッハ:ヴァイオリン協奏曲第1番
ドイツ的な威厳のなかに哀愁的なメロディが美しい楽曲です。第2番とともに、バッハでは良く演奏される楽曲です。
J.S.バッハ:ヴァイオリン協奏曲第2番
「一つひとつの音が踊っている」、ヴァイオリン協奏曲第2番の歌い出しを聴いただけで、こう感じる人は多い事でしょう。結構有名な曲でクラシックに興味のない人でも1度は聴いた事があるかも。名曲です。
バルトーク:ヴァイオリン協奏曲第2番
難しい楽曲です。色彩的なオーケストレーションはさすがですが、ハープや打楽器を積極的に活用したそれは実にユニークで、バルトークの傑作の一つといえるでしょう。
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲
ヴァイオリン協奏曲の横綱的な存在です。楽曲の素晴らしさは類を見ません。ベートーヴェン唯一のヴァイオリン協奏曲ですが、ヴァイオリン協奏曲の中でやっぱりナンバー1です。私が大好きな協奏曲のひとつです。
ベルク:ヴァイオリン協奏曲
「ある天使の思い出に」との献辞が付されていますが、ときにこれが副題のようにみなされることもあります。亡くなった娘のために作られた楽曲ですが、自身のレクイエムともなった悲しい楽曲です。
ブラームス:バイオリン協奏曲
交響曲的な雰囲気のある大変聞き応えのある楽曲です。ヴァイオリンが出ずっぱりで華やかに活躍するのではなく、オーケストラと一体となって、シンフォニックな音楽を作り上げています。3大ヴァイオリン協奏曲のひとつです。
ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番
ブルッフの代表作品であり、多くのヴァイオリン協奏曲の中でも特に人気の高い作品です。第3楽章はブラームスの「ヴァイオリン協奏曲」の第3楽章に似ていると評されることもありますので、この2つを意識して聴き比べてみるのも面白いかもしれません。
ラロ:スペイン交響曲
なぜか曲のタイトルには「交響曲」という言葉が入っていますが、やはりこの曲はヴァイオリン協奏曲です。その名のとおり、全編に溢れるスペイン風のエキゾティックなメロディ、リズムが大変魅力的です。
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲
皆さんご存知のメンコンです。この曲にはもう説明など要らないと思います。美しいメロディが織り成す素晴らしい協奏曲です。3大ヴァイオリン協奏曲のひとつです。
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番
モーツァルトの熱烈な愛好家としても知られたアインシュタインは、作品評については結構辛口ですが、この第3番から第5番の3曲については「モーツァルトの精神が生きている」と賛辞の言葉を記しています。
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番
第5番は音楽の充実度において更に進化を遂げた「最高傑作」と呼んで良いと思います。この曲の副題が「トルコ風」というのは、第3楽章にトルコ行進曲風のリズムが現れるからです。
パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第1番
第1楽章が全体の半分以上を占める長さです。超絶技巧はもちろん聴きどころですが、イタリア人らしい明るい音楽も印象的です。
サンサーンス:ヴァイオリン協奏曲第3番
たいして知名度も評価も得ていませんが、ヴァイオリニストの存在がこれほど映える協奏曲も珍しいのではないかと思えるほど、旋律面でも、技巧面でも、見せ場が沢山ある楽曲です。
シベリウス:バイオリン協奏曲
彼が残した唯一の協奏曲であり、20世紀を代表する名作として世界中の人びとに愛されています。何でこの楽曲が4大ヴァイオリン協奏曲に入らないのか不思議です!
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲
第3楽章まであるなかで、特に第1楽章の主題が有名です。第3楽章ではロシアの民族舞曲トレパークに基づく躍動的なリズムが登場します。
チェロ協奏曲
エルガー:チェロ協奏曲
エルガーが残した彼の最高傑作です。どうぞ女性チェリストのジャクリーヌ・デュプレの演奏を聴いてみてください。この曲の価値が分かる筈です。
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲
ドヴォルザークが2度目のアメリカ滞在を続けていた1894年から1895年頃にかけて作曲されたチェロのための協奏曲です。ドボ・コンの愛称で知られています。特に人気が高くチェロ協奏曲の顔でもあります。3大チェロ協奏曲のひとつです。
ハイドン:チェロ協奏曲第2番
第1番の方が、のどかで、伸びやかで、ハイドンらしいと思います。しかし、第2番の第1楽章出だしの旋律の流れも抜群に魅かれます。第2番の方が全体的に玄人好みする感じです。要するにハイドンは2曲とも素晴らしいのですが、私はこちらを選択しました。
サン=サーンス:チェロ協奏曲第1番
第2番もありますが、現在「サン・サーンスのチェロ協奏曲」といえば、第1番というのが一般的であり、チェリストの重要なレパートリーとなっています。
シューマン:チェロ協奏曲
響きの渋さもさることながら、独奏部とオーケストラが一体になって作り上げるいわゆる「ブラームス型」協奏曲のはしりになるもので、ソリストの技巧を見せびらかすための音楽ではないものです。3大チェロ協奏曲のひとつです。
木管楽器協奏曲
アルビノーニ:オーボエ協奏曲
バロックのオーボエ協奏曲というと、ヴィヴァルディのコンチェルトが思い浮かびますが、聞き比べるとどうしてもアルビノーニが妙に大人びているような気がします。ヴィヴァルディのがおてんばな少女なら、アルビノーニのはちょっとおすまししたお姉さんのような感じです。
マルチェロ:オーボエ協奏曲
第2楽章アダージョは、イタリア映画『ヴェニスの愛』テーマ曲として知られ、人気が高い楽曲です。
モーツァルト:フルート協奏曲第1番
第1番は第2番と異なり初めからフルートのために書かれただけに、当時のフルートの音域を十分に駆使し、特色を生かした作品となっています。
モーツァルト:クラリネット協奏曲
クラリネット協奏曲イ長調はモーツァルトが最後に作曲した協奏曲であり、唯一のクラリネットのための協奏曲です。音楽ファンの中には、この曲をモーツァルトの最高傑作と言う人もいます。
モーツァルト:ファゴット協奏曲
「ファゴット協奏曲」を他の作曲者で聞いたことがありません。恐らくこれ1曲しかないのかも?この協奏曲は、音域と音量に限界のあるファゴットに対して、モーツァルトがいかにオーケストラ伴奏の使い方の点で熟練しているかを証明しています。
金管楽器協奏曲
ハイドン:トランペット協奏曲
バルブ機構を備えた現代的なトランペットが定着して、ハイドン『トランペット協奏曲』は今日までトランペット奏者の主要レパートリーとして広く受け継がれています。
フンメル:トランペット協奏曲
フンメルはベートーヴェンと同時代の作曲家です。今となっては「知る人ぞ知る」という感じの作曲家になっています。そのフンメルの代表作がこの作品です。
モーツァルト:ホルン協奏曲第1番
モーツァルトによる独奏ホルンと管弦楽のための協奏曲第1番。第1楽章アレグロ、第2楽章ロンド、アレグロの2楽章で構成されています。1度聞いてもらえば「ああ、この曲ね」といって貰えるはずです。
その他楽器協奏曲
ロドリーゴ:アランフェス協奏曲
今日ギターの名曲として高い知名度を獲得していますが、作曲者であるロドリーゴはピアニストであり、肝心の本人はギターを演奏していなかったそうです。
まとめ
協奏曲50選をまとめてみました。是非聞いて欲しいと願っている厳選した協奏曲です。他にも山ほど協奏曲は存在していますから、私の知らない隠れた名曲もあるかもしれません。
しかし、現時点の私のベスト50です。これだけは自身を持って言えます。これらは全て名曲です!!