好きな指揮者は結構多くいますが、指揮ぶりは皆それぞれ独特のものを持っています。自分の音楽性を表現するために様々なテクニックを駆使しているのです。
しかし、今回はバトンテクニックや音楽性など一切関係なし。単純に聴衆からみてカッコイイ指揮をする指揮者をランキングします。といってもここに挙げた指揮者が音楽性がないと言っているわけではないのであしからず。
見た目がカッコイイ指揮者はテクニックにも優れた指揮者が多いのも事実ですし、音楽性も自分の個性を持っている人が多いものです。どんなランキングになっているか楽しみながら読んでほしいと思います。
ランキング基準
単純に聴衆から見てカッコイイかどうか!
筆者の個人的趣味が大いに入っていることを最初にお断りしておきます!
第10位 井上道義
生没年月日:1946年12月23日~
国籍:日本
踊る指揮者として有名です。指揮台の上でオーケストラに対してこんな音楽を要求しているのだという意思表示が面白いのです。表情も豊かで様々な顔を見せてくれます。ウィンナ・ワルツを指揮している時に、指揮台から降りて実際に踊ったというエピソードもあります。
飛び跳ねたり、指揮を止めてオーケストラに全てを任せたりと、見ているこちらも演奏に引き込まれます。バトンテクニックがあるからこそ出来る技です。私の大好きな指揮者のひとりです。
第9位 佐渡裕
生没年月日:1961年5月13日~
国籍:日本
柔道の重量級のような体格をしていますから、見ごたえのある指揮ぶりです。身長のある指揮者でないと見た目のカッコ良さに繋がりません。そんな彼が指揮台の上で暴れまわるのですから、聴衆も一緒になって音楽に引き込まれます。
彼はバーンスタインの弟子ですので、指揮ぶりも影響されたのでしょう。まあ、振りすぎの面もあるかとは思いますが、聴衆にとってはそれもがカッコ良さに繋がります。
第8位 小澤征爾
生没年月日:1935年9月1日~
国籍:日本
小澤征爾もダイナミックな指揮を見せてくれる指揮者です。彼の演奏会には何十回も通いましたが、彼の発するオーラは凄いもので世界的指揮者としての貫禄が違います。ステージに登場してくるだけでその場の雰囲気を変えてしまいます。
彼の若い頃から聴いていますが、若い頃はその指揮は振り過ぎだろうっていうぐらいにめちゃくちゃ腕を振っていましたが、年齢と共に落ち着いてきました。日本では彼が一番指揮ぶりがカッコいいです。
第7位 ダニエル・ハーディング
生没年月日:1975年8月31日~
国籍:イギリス
ぺトレンコ世代では一番カッコイイ指揮姿を披露してくれます。スタイルの良さがあるからこそのカッコ良さなのですね。指揮ぶりは正統派ですが、ダイナミックス感も感じさせられます。
しかし、残念ながら彼は民間航空のパイロットに転職してしまいました。指揮者は一時休止との話でしたから、音楽界に戻って来てくれる事を望んでいますが、どうなる事かは神のみぞ知るです。
第6位 ワレリー・ゲルギエフ
生没年月日:1953年5月2日~
国籍:ロシア
ゲルギエフはあれよあれよいう間に頭角を現し、今やクラシック界に無くてはならない指揮者にまでなってしまいました。彼の指揮はカッコイイとは少し違うかもしれませんが、独特の指揮を繰り広げます。私の好みなのでここにランクインさせました。
指揮棒を使わずにこの動画のように爪楊枝を使う時もある不思議な指揮者です。指揮棒は関係ないと言うのだったら爪楊枝も持たなくてもいいのではと突っ込みを入れたくなります。絶えずブルブルしている右手でオーケストラは良く拍が取れると感心します。
第5位 クラウディオ・アバド
生没年月日:1933年6月26日~2014年1月20日
国籍:イタリア
オーケストラ側からはアバドの指揮はとても分かり易かったようです。右手と左手が完全に独立して動いていて、指揮法の見本のようです。若い頃の私はアバドの良さを理解できないでいました。好き嫌いでいうと嫌いな指揮者でした。
彼を再認識したのはロンドン交響楽団を連れてマーラーの『巨人』を聴いた時からです。なんて素晴らしい音楽を鳴らしているのかと驚愕した思いでした。指揮の上手さも良く分かりました。COOL!つまりカッコイイ事に気付きました。
第4位 ヴォルフガング・サヴァリッシュ
生没年月日:1923年8月26日~2013年2月22日
国籍:ドイツ
私がクラシックを聴き始めた頃はサヴァリッシュがまだ50代で脂の乗り切った勢いがありました。始めてN響で聴いてからファンになったひとりです。彼独特のバトンテクニックでカッコイイ姿を毎年拝見できました。
ブラームスの演奏には定評がありましたね。R・シュトラウスなどドイツ物は素晴らしかったです。指揮者とはかくあるべしといった雰囲気を醸し出していました。やはり偉大な人のオーラは違って見えたものです。
第3位 レナード・バーンスタイン
生没年月日:1918年8月25日~1990年10月14日
国籍:アメリカ
バーンスタインを初めて聴いたのが私がまだ予備校生の時、ニューヨーク・フィルとのショスタコ『革命』でした。指揮台の上を飛び跳ねる指揮ぶりに「ぶったまげた」ものでした。まるで指揮台でダンスをしているような感じで驚いた事が昨日のようです。
ウィーン・フィルとの一連の録音は映像も記録され、今でも楽しめるのが嬉しいです。バーンスタインらしく、雄大な音楽作りと、指揮の派手さ加減が目に焼き付きます。本当にカッコイイ指揮者でした。
第2位 カルロス・クライバー
生没年月日:1930年7月3日~2004年7月13日
国籍:ドイツ
クライバーはバイエルン国立と来た時に聴きましたが、あの時の人見記念講堂にいた人は皆幸せな気分で家路についたのではないかと思います。クライバーの流れる様な指揮ぶりに誰もが魅了されました。あの時の日本公演は彼がとても躁状態だったと関係者は話しています。
彼の指揮も独特でまるで歌うような指揮をします。彼も踊るような指揮者です。まるでミューズの神が下りて来たかのようなとてもしなやかで柔らかい指揮をします。オーケストラとの演奏を楽しんでいるかのようです。
第1位 ヘルベルト・フォン・カラヤン
生没年月日:1908年4月5日~1989年7月16日
国籍:オーストリア
第1位は何といってもカラヤンです。少し前かがみになって目をつぶって指揮する姿はカッコイイとしか表現できません。私は彼を3度聴きましたが、どれもが感動的でした。それほど身長が高くないのに、そんな事を感じさない絶対神のようでした。
今までに聴いた指揮者は数えきれませんが、カラヤンほど気品があって、音楽を上手くコントロールしている指揮者はいませんでした。COOLとしか言いようがありません。とにかくカッコイイ指揮者の横綱です。
まとめ
10人の指揮姿がカッコイイ指揮者をランキングしてみました。ここに挙げた指揮者意外にもダイナミックな指揮をする人や独特の指揮をする人もいますが、スタイルがイマイチだったり、逆にそれが滑稽だったりする指揮者であって、カッコイイとは言いかねるものがあります。
指揮者はやはり別世界に連れて行ってくれる案内人ですから、それなりのカッコ良さがないと幻滅してしまいます。音楽的には全く関係ない事ですが、指揮者の要素として見た目も重要ではないかと思います。