
誰だって人知れず泣きたい時があります。みんな大人だから我慢しているのですよね。でも、たまには感情にまかせて思いっきり泣いてみましょう。
心理学的にも悲しい時には悲しみに浸って心情を吐き出した方がいい事が分かっています。無理して明るい曲を聴いて頑張るより泣くことの方が正しいようです。
そんな時にハマる曲をランキング形式で紹介します。これらの曲で泣いて心の平安を取り戻しましょう。そしてその後でリラックスできる音楽を味わってください。
ランキング基準
- 悲しさが続く曲
- 途中で癒しになる要素がない曲
- ほど良い長さの曲
- 私の感性


第10位 バッハ『シャコンヌ』
ヴァイオリンのソロの音色が堪まりませんし、一音一音が自分を責めてくるような感じを覚えます。本当に厳しい音楽ですね。華麗なる変奏曲の世界は自分の悲しみを増してくれる感じがしました。
ヴァイオリンの響きが胸に迫ってくる感じや弦の音色は心に染みてきます。悲しさとの同化に合う時と合わない時がはっきりしている楽曲です。ですので第10位としました。
第9位 バッハ『G線上のアリア』
哀しさが胸に迫ってくるような楽曲です。今は亡き人を忍ぶ時や失恋した時など、心にぽっかり空いた隙間から勝手に入って来そうなメロディとなっています。悲しさに浸る楽曲の入門編には最適ですね。
落ち着いた楽曲ですから、冠婚葬祭どれにも合ってしまう楽曲です。高級ホテルなどでもBGMとして使用されています。今回はその中の「葬」に近い思いを作り出してください。
第8位 シューマン『トロイメライ』
シューマンの『子供の情景』というピアノ曲の第7番目の楽曲です。『トロイメライ』とは夢想を表します。少し上品すぎるかもしれないと思い、第8位にしました。
タイトルから子供を思う気持ちを表しているのかと思われがちですが、実は彼女の事を夢想している状況を描いた楽曲です。しかし、どこか寂し気な表情も隠し持った楽曲なので心を同化させるには丁度良いと思います。
第7位 ドビュッシー『月の光』
印象派の作品は思わず引き込まれそうになる何かがあります。印象派は勿論印象主義的な音楽ですから、イメージが大事です。一人になった夜の世界にも月の光だけは煌々と差し込んでくる、そんな一人ぼっちの寂しさを味わえます。
ドビュッシーの世界はとても独特で物悲しさが付きまといます。なんでもない日でも夜に『月の光』を聴いただけで涙がこぼれそうです。心に染み入る名曲の代表作といえます。
第6位 サティ『ジムノペディ』
『ジムノペディ』はいつ聴いても、どことなくけだるさを感じます。誰もいない一人の世界へ連れて行ってくれそうな音楽です。決して癒されない不可思議なメロディ。悲しみの世界には合っているような…。
サティは本当に不思議な楽曲を作曲しました。この『ジムノペディ』は音楽心理学でも実際に使用されているそうです。どうぞこれを聴いて泣いてください。
第5位 モーツァルト『レクイエム』~「ラクリモサ」
「ラクリモサ」は涙の日と訳されます。モーツァルト自身もこの楽曲の8小節まで歌ったところで涙を流したという逸話が残っています。『レクイエム』自体は死者を弔う作品ですから、泣くには丁度良いものです。中でもモーツァルトの「ラクリモサ」は心を揺さぶられます。
悲しさを同化させるのは簡単かと思います。オーケストラと合唱団の組み合わせがその作業に合うかどうかは人によって異なるでしょう。その点が不安ですので第5位にしました。
第4位 ベートーヴェン『ピアノ・ソナタ第14番』「月光」~第1楽章
「月光」は悲しい曲だと思いませんか。この第1楽章は諦観が漂っています。暗く、ディープな楽曲です。どうしようもなく苦しいようにしか感じられません。とても湖の上に月が出ているなどといった感情を抱く感傷自体が私には分かりません。
当時のピアノの教え子に恋したベートーヴェンがその思いを綴った楽曲です。身分が違う事で別れざるを得ない哀しさがこの楽曲には満ち溢れています。楽曲は彼女に献呈しましたが、思いを打ち明ける事はありませんでした。悲しさの同化にはもってこいの楽曲です。
第3位 フォーレ『シシリエンヌ』
オーケストラの楽曲では悲しさとの同化ができにくい方もおられる事でしょう。でも、それがピッタリの方もいて世の中上手く出来ているわけです。この楽曲を聴いていると、歴史の渦の中に引きずり込まれそうな感じがします。
落ち着いていて暗い影があり悲しさとの同化にも合っていると思います。別の世界に連れて行ってくれそうな楽曲です。
第2位 ショパン『ノクターン第20番』「遺作」
ショパン自身がソプラノ歌手に恋をし、打ち明けられぬままその恋が消え去った時に作曲したのがこの楽曲です。悲しさ、哀しさが続くだけの失恋ノクターンですから、泣く時にはピッタリと言えるでしょう。
失恋の作品ですから、悲しみに同化するには都合の良い楽曲です。このノクターンを聴きながら悲しみに浸りましょう。
第1位 ショパン『別れの曲』
タイトルからして泣くための楽曲ですね。冒頭のメロディからして美し過ぎるし、心が洗われるようです。ショパンは「一生のうち二度とこんなに美しい旋律を見つけることはできないだろう」と言っています。
良く知られている人気の楽曲という事もあり、ショパンの甘美さも悲しさの同化にはふさわしいです。堂々の第1位かと思います。
全体を振り返って
第1位 ショパン『別れの曲』
第2位 ショパン『ノクターン第20番』「遺作」
第3位 フォーレ『シシリエンヌ』
第4位 ベートーヴェン『ピアノ・ソナタ第14番』「月光」~第1楽章
第5位 モーツァルト『レクイエム』~「ラクリモサ」
第6位 サティ『ジムノペディ』
第7位 ドビュッシー『月の光』
第8位 シューマン『トロイメライ』
第9位 バッハ『G線上のアリア』
第10位 バッハ『シャコンヌ』


まとめ
人間である以上、泣きたい時もあります。一時悲しさに同化して泣く事も、精神衛生上必要な事です。我慢せずに一人静かに『別れの曲』を聴いて、泣いて悲しさを吐き出しましょう。