
指揮者って颯爽とステージに登場し、格好良くオーケストラの指揮をして、ブラボーの喝采を受ける者というイメージがありますが、その指揮者を貶めるような不思議な曲があります。滅多に演奏されない曲ですから、これを書いている私でさえ聴いた(見た)事はありません。
Youtubeで聴いた(見た)だけです。曲についての云々はあえて記載しません。クラシック界の面白ネタとして知っておくと良いでしょう!!それでは早速紹介していこうと思います。
指揮者が倒れる曲!
何という曲かというとマウリシオ・カーゲルが作曲した『フィナーレ』という曲です。20分位の曲ですがこの曲の終盤で指揮者が倒れます!そして指揮者の倒れ方には詳細な支持まで存在します。
指揮者が突然痙攣に見舞われたかの様に硬直する。右の腕は上げられ、肩は盛り上がる。左手でネクタイを緩め、自分の胸の辺りを軽く摩る・・・譜面台をつかみ・・・後ろの床に聴衆に頭を向けて倒れる。そのため譜面台は彼の上に引き倒される。
指揮者が倒れてからもこの曲は数分間続きます。こういう曲だと知らない観客の驚き、ざわめきとか失笑とか不思議な雰囲気で終わる不思議な曲です。意外と皆どうして良いか分からぬまま傍観している感じです。そしてコンサートマスターが代わりに指示をして曲の終わりを迎えます。
ティンパニに頭を突っ込む曲!
この曲もマウリシオ・カーゲルが作曲した『ティンパニとオーケストラのための協奏曲』という曲です。音楽は淡々と進んで行き、演奏最後の場面でティンパニ奏者がティンパニに頭を突っ込んで終了します。演奏する時には、勿論紙が貼られた特製のティンパニが用意されています。
面白いのはその楽譜。どうティンパニに頭を突っ込むのか楽譜に絵が描かれています。これだけを見てもおかしくて笑ってしまいます。最後の頭を突っ込む部分は、fのフォルテマークが5つもついています。読み方はフォルティッシシシシモ(Fortississississimo)。
意味は可能な限り大きく(強く)なので、死ぬ気で突っ込め!!という指示になるかと思います。全力でやりなさいという意味なんでしょうね。ひとつ間違えば怪我をしてしまう位大変です。ティンパニ奏者もやりたくない曲だと思うのですが意外とノリノリでやっているのかもしれません。
奇人マウリシオ・カーゲルとは
こんな奇抜な音楽を書いた人物がどのような人であったのかを少しみてみましょう。正直クラシックファンとしてはこのようなふざけた曲を実際に聴きに行くという選択肢は取りませんが、クラシックの常識をぶち壊す、非常に挑戦的な作曲家である点については興味が湧いてしまいました。
マウリシオ・カーゲルの略歴
作曲は独学で学ぶ。カーゲルの音楽は、パフォーマンス的な性格が強く、社会的な批判や皮肉を備えたハプニング的要素が特徴となっている。主要作品として、全編がベートーヴェンの作品からの引用で構成される「ルートヴィヒ・ヴァン」(1969)、ヨーロッパ風の音楽教育を受けた演奏家が民族楽器を演奏する「エクゾティカ」(1970/71)、ストーリー性を排除した舞台作品「国立劇場」(1970)などがある。
まとめ
こんなへんてこな音楽を書いた人はさぞや変人のようなのかと思ったら、そうでもなさそうですね。中々お金を出して観に行きたいとは思いませんが、クラシック音楽の多様性という意味では、若い世代や先進的な考え持つ人には案外人気なのかもしれません。
それでもやっぱり私は王道の曲、王道のオーケストラの素晴らしい音色を聴きに行きます!!