有名なチェリスト

NHK Eテレで放送中の『らららクラシック』のファンクラブ「らららクラブ」が実施した第12回人気投票「あなたの好きな日本人チェリストは誰ですか」の結果が2020年9月に発表されました。

調査ではなく単なる人気投票なのですが、私にとっては意外な結果になっていました。チェロ界も世代交代している実態が出ているなと興味深く思いましたので紹介しておきます。

会員ならば誰でもインターネットで投票できる縛りのない自由なものですので、『レコード芸術』などで行われている評論家等の結果とは違ったものになっています。

投票方法

  • 実施時期:2020年8月から9月中旬(推定)
  • 投票方法:「ららら♪クラブ」会員がインターネットにて第1位、第2位、第3位と順位をつけて投票

投票総数

投票総数:2101票

3名まで投票できるのでひとりで最大3票となります。ですから人気投票に参加した人数は700人ほどと思われます。第3位まで投票しなかった人もいます。

700人ほどの人たちが人気投票に参加したのですね。
チェリストも多くのファンがいるのだな。

投票者の年齢構成

投票者の年齢構成も公表されています。50代が最も多くなっていて、次いで40代、60代となっています。しかし、20代から60代まで意外と数字がばらけています。

年齢別 数値(%)

10代 3%
20代 14%
30代 13%
40代 22%
50代 29%
60代 14%
70代 4%
80代 2%

50代を中心にして、20代から60代まで数字がばらけています!
今回はひとつの年齢層に偏るのではなくそれなりの広がりを持っているな。

投票者の男女比(%)

男性 30%
女性 70%

やはりこういった人気投票は女性票が多くなるものです。ピアニストランキング の時には女性が9割近かったですが今回は7割でした。

ピアニストの時よりはましですが、女性回答者が7割でした。
こういった人気投票はやはり女性票が多くなるものなのだ。

あなたの好きな日本人チェリストランキング

あくまでも人気投票という事を頭に置きながら数字を見ていかねばなりません。結果は以下のようになりました。

第1位:宮田大 153票

1986年生まれの34歳。2009年、ロストロポーヴィチ国際チェロコンクールにおいて、日本人として初めて優勝。これまでに参加した全てのコンクールで優勝を果たしている俊英です。「第1位」の投票でも見事第1位を獲得しました。

失礼ながら私は彼の存在を知りませんでした。堤剛、藤原真理、長谷川陽子を聴いてきた世代ですから、こんな素晴らしいチェリストがいたなんて驚きです。リサイタルでサントリーホールを満席にした実績を持っています。人気もあるのですね。

2012年には小澤征爾/水戸室内管との共演もされています。使用楽器は上野製薬株式会社より貸与された1698年製A.ストラディヴァリウス「Cholmondeley」。素晴らしい!

第2位:堤剛 101票

日本を代表するチェリストです。「子供のための音楽教室」の1期生で齋藤秀雄に師事。今まで日本のチェロ界を背負ってきた人物です。2013年には文化功労者に選出されています。

現在はサントリーホール館長、サントリー芸術財団代表理事、霧島国際音楽祭音楽監督を務めています。堤剛が第2位に入った事に嬉しさを感じます。

第3位:辻本玲 97票

現在、日本フィルハーモニー交響楽団のソロ·チェロ奏者を務めています。オーケストラとの仕事の合間に、リサイタルを各地で開催し、好評を得ています。

彼が第3位に選ばれたのも私としては意外な事でした。日フィル定期会員の投票が多かったのでしょうか。使用楽器はNPO法人イエロー・エンジェルより1724年製作のアントニオ・ストラディヴァリウス。

第4位:桑田歩 82票

1999年よりNHK交響楽団のチェロ奏者に就任し、2020年の5月に退団するまで次席奏者および首席代行奏者を務めました。ソリストとして、またN響メンバー4人で作った『ラ・クァルティーナ』でも活躍しています。

現在は指揮者としても活躍の場を広げています。「第1位」の投票部門でも4位と健闘しています。

第5位:伊藤悠貴 79票

ファン・クラブ(後援会)を持っているチェリスト。イケメンですから女性に人気があるのでしょう。15歳で渡英。イギリス王立音楽大学在学中にブラームス国際コンクール、およびウィンザー祝祭国際弦楽コンクールに優勝し、以後国際的な演奏活動を展開しています。

「第1位」の投票では第2位と健闘しています。ファン・クラブの組織票の結果でしょうか。今後に期待したいチェリストのひとりです。

6位以下のチェリスト

6  上村文乃(75)
7  伊東裕(41)
8  藤森亮一(37)
9  遠藤真理(34)
10 山本裕康(31)
11 岡本侑也(30)
12 鈴木秀美(29)
13 大谷雄一(25)
14 古川展生(24)
14 横坂源(23)
16 藤原真理(22)
16 佐藤晴真(22)
18 長谷川陽子(18)
19 森田啓佑(17)
20 新倉瞳(15)

上村文乃は「第1位」投票では第2位だったのに、僅かの票差で5位以内に入れず残念でした。藤原真理、長谷川陽子は入っていますが、山崎伸子は選外でしたね。しかし、若手からベテランまで入っているので、人気投票とはいえバランスが取れているようです。

「第1位」に投票されたチェリスト

第1位:宮田大 96票
第2位:伊藤悠貴 67票
第2位:上村文乃 67票
第4位:桑田歩 52票
第5位:藤森亮一 33票

結果の考察

宮田大が総合でも「第1位」投票でもトップでした。ストラディヴァリウス「シャモニー」をフル活用して、世界に羽ばたいて欲しいと思います。その他のチェリストは票が分散したのか、僅差の戦いでした。

また、ソリストでなくてもオーケストラの首席奏者は人気があるのですね。この投票で良く分かりました。N響や都響、神奈川フィルなどの首席奏者が選ばれています。

宮田大は底知れぬ魅力がありますね。
大物の風格が漂っているよ。世界を股にかけるチェリストになりそうだ。

宮田大演奏映像

宮田大の演奏をしばし味わってください。

まとめ

今回の「らららクラブ」投票はチェリストでした。私も勉強になった結果となっています。30代チェリストが台頭してきているのですね。彼らが上手く成長して行く事を願っています。次の「らららクラブ」がどんな人気投票をするのか楽しみです。

らららクラシック公式
らららクラブ公式

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