女性楽員比率ランキング

日本の女性の社会進出はずいぶん以前から叫ばれていますが、依然として結婚・出産を契機に仕事を離れる人が多いようです。国の社会制度が遅れているという点もありますが、日本人には女性は家庭に納まるのが当然という風潮が高い事も大きな要素かと思います。

公務員や大手民間企業から、女性への対応は変わりつつありますが、まだまだ国の諸制度の改善が早急に求められている状況です。では、オーケストラに目を向けると実態はどうなのか、興味があるところです。

日本のオーケストラは女性が多いと言われますが、本当にそうなのでしょうか。日本オーケストラ連盟の正会員25団体の女性楽員の比率を見ていきます。

ランキングの算定方法

日本オーケストラ連盟が発行している『オーケストラ年鑑』2019年版のメンバー一覧を見て女性の数を確認し、総楽員に占める女性の割合を算出、その数字を比較しました。

『オーケストラ年鑑』2019年版のメンバー一覧は2020年1月1日現在のものであるので、最新の数字とは異なる可能性もあり得ますが、傾向は変わらないものとして扱います。

日本のオーケストラがヨーロッパに演奏旅行に出かけると女性の多さに驚かれるという話を聞いた事があります。
日本のオーケストラの場合、弦楽器を支えているのが女性だからね。

第10位 大阪交響楽団

女性楽員比率:43.3%
総楽員数:53人
女性楽員数:23人

53人中23人が女性楽員となっています。ほとんどがヴァイオリン奏者です。他のオーケストラもそうだと思いますが、女性は弦楽器奏者、中でもヴァイオリンに集中している事が多いのです。正団員が少ないため顕著に男女比に表れています。

第9位 東京フィルハーモニー交響楽団

女性楽員比率:44.6%
総楽員数:141人
女性楽員数:63人

ヴァイオリン奏者が多いのは当然ですが、ヴィオラなどの弦楽器奏者、木管、金管奏者からパーカッションまで幅広く女性楽員が存在しています。141人も楽員がいる中での44.6%は日本のオーケストラ界でも珍しいです。

第8位 東京交響楽団

女性楽員比率:45.0%
総楽員数:80人
女性楽員数:36人

バイオリン、ヴィオラは女性のオンパレード、チェロ、コントラバスにも女性がいます。木管楽器にも数多く、45.0%という数字になっています。

第7位 オーケストラ・アンサンブル金沢

女性楽員比率:45.4%
総楽員数:33人
女性楽員数:15人

ヴァイオリン、木管楽器に多いのが特徴です。アンサンブルという冠が入っているように33人の室内オーケストラのような存在ですから、比率は高く出ています。

第6位 京都市交響楽団

女性楽員比率:47.5%
総楽員数:82人
女性楽員数:39人

ヴァイオリン、ヴィオラは女性が圧倒的人数を占めており、尚且つ木管楽器にも多い事が47.5%の理由です。82人の内の39人で、ヴァイオリン、ヴィオラが数多いという事は演奏会では女性のオーケストラのように感じる事でしょう。

第5位 広島交響楽団

女性楽員比率:47.5%
総楽員数:61人
女性楽員数:29人

こちらもヴァイオリン、ヴィオラは女性ばかり、チェロや木管楽器にも多くの女性が活躍しています。61人の団員ではそうならざるをえませんね。

第4位 神奈川フィルハーモニー管弦楽団

女性楽員比率:47.6%
総楽員数:65人
女性楽員数:31人

ヴァイオリン、ヴィオラ、フルート、オーボエなど女性によって支えられています。65名中31人は多いですね。女性のオーケストラのように感じるでしょう。

第3位 セントラル愛知交響楽団

女性楽員比率:48.9%
総楽員数:49人
女性楽員数:24人

ヴァイオリン、ヴィオラはほとんど女性、木管、金管まで女性上位です。49人の団員では女性に頑張って貰わないとやっていけないのだと思います。

第2位 関西フィルハーモニー管弦楽団

女性楽員比率:50.0%
総楽員数:58人
女性楽員数:29人

ここで男女比が丁度1対1になります。ヴァイオリン、ヴィオラは圧倒的に女性で、木管も数多くいます。58人のオーケストラですから、そうならざるを得ませんね。

第1位 東京ニューシティ管弦楽団

女性楽員比率:61.5%
総楽員数:39人
女性楽員数:24人

第1位は何と61.5%という数字になりました。6割越えは凄いですね。ヴァイオリンを始め弦楽器は女性が多く、木管、金管楽器にも女性がいます。女性が支えているオーケストラです。

何と第1位は60%越えでした。ヴァイオリン、ヴィオラは今や女性が支えているのですね。
女性の弦楽器奏者に優秀な人材が豊富だから、男性は採用試験の段階で振り落とされるのだろう。

25団体全体

女性楽員比率:38.5%
総楽員数:1,754人
女性楽員数:676人

因みに連盟に属しているオーケストラの平均も出してみました。日本のオーケストラの女性団員比率は38.5%となりました。この数字を基準に見てみると、平均を下回る団体は、25団体の中で9団体しかありません。

日本の文化事情によるところも大きいとは言えますが、40%以上のオーケストラが25団体の中で12団体もあります。外国のオーケストラと比べるとやはり日本の女性奏者は多いように感じます。

外国ではどうか

一例として、ベルリン・フィルの状況を見てみましょう。

女性楽員比率:17.2%
総楽員数:122人
女性楽員数:21人

という結果になりました。世界で最も優秀なオーケストラですから、ジェンダーの問題よりは実力の世界です。21人中弦楽器奏者が18人もいます。その中の一人には日本のヴィオラ奏者の清水直子が首席奏者として活躍しています。しかし、女性の比率はまだまだ低いですね。

フランスのパリ管弦楽団はHPで確認したところ32.7%でした。はやり弦楽器は半数近くが女性で、このあたりが現在の世界の標準的な所なのでしょうか。どうしても女性の場合、弦楽器に集中してしまい、管楽器や打楽器は少数派です。

世界的に見ても弦楽器奏者は女性が支える時代なのですね。
この傾向は今後も変わらないだろう。そして管楽器なども今後は増えていくと思われるな。

まとめ

日本のオーケストラは女性の割合が外国のオーケストラよりも少し多めという結果が出ました。弦楽器奏者の数はどのオーケストラでも女性の割合がかなり高めです。

特にヴァイオリンは女性に支えられている時代と言ってもいいのかもしれません。これは世界的傾向です。

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