
2020年10月4日に放送されたTBSテレビ『プロの声楽家131人が選んだ「歌がうまい歌姫」ベスト30』を皆さんご覧になりましたか。
私は同じ時間にやっているEテレのNHK交響楽団の演奏会の曲目が気に入らなくて、裏番組のこちらを何気なく見ていたのですが、見て良かったと思っています。
第1位は勿論あの方でした。彼女を知っている人ならば当然と思うでしょう。今の若い方が知っているかどうか少々心配ではありますが。忖度なしといっていますが、やはりあの方には忖度したのでしょうね。
ランキングの決定方法
プロの声楽家131人にアンケートし、歌が上手いと思う歌手第1位から第10位までを選んでもらう。その順位をポイント化し、合計点で総合順位を決定。
第1位:10pt
第2位:9pt
・
・
第9位:2pt
第10位:1pt
ベスト10を詳しく紹介
ベスト30の中からベスト10だけを抜き出し、コメントを添えて紹介します。そう言われるとこの歌手はそうだなと思えるようなコメントが寄せられていました。
第10位 椎名林檎
「独自の世界観を作り出すのが上手い」
プロの声楽家からも個性派シンガーとして認識されているようです。実際聴いてみると独特の感覚の持ち主。その上、歌唱力もあって、私は彼女の作り出す雰囲気が好きです。
実力のある方々にも評価されていますが、椎名林檎は好き嫌いがはっきり分かれる歌手です。嫌いな人にとっては彼女の作り出す音楽の世界感には嫌悪感さえ覚える方もいる事でしょう。それだけ異質な歌手です。
第9位 石川さゆり
「1本のドラマを見ているような表現力」
演歌界からの1番手は石川さゆりでした。この人の歌唱力は定評があります。本当に「歌に魂を込める天才」という評価はぴったりです。熱唱型で表現力抜群ですからランキング登場は当たり前でしょう。
『津軽海峡・冬景色』『天城越え』はオジサンたちの定番のカラオケソングです。もう数十年も歌い継がれてきています。歌詞や曲がいいのは当然ですが、彼女の歌い方があるからこその大ヒット曲なのだと思います。
第8位 広瀬香美
「高音職人。超絶ロングトーン」
「ロマンスの神様」で大ブレークした広瀬香美。彼女の凄さは高音にあるとの評価でした。突然高音に飛んでも完璧に合わせられる技は凄いの一言に尽きます。また高音でのロングトーンも魅力との理由で第8位でした。
彼女はずっと「アルペン」のCMソングを歌い続けてきましたので、冬に活躍する歌手のようなイメージが付いています。歌唱力がある歌い手さんは忘れられなくなります。
第7位 新妻聖子
「Mrs.パーフェクト。美しい絶叫」
ミュージカル界から唯一のランキング入りです。その歌唱力で見事ミュージカル界で確固たる地位を築きました。全てにおいて手本となるような歌いぶりと高評価を得ています。特に高音の絶叫は見事です。
私はミュージカル界には不案内ですが、彼女の歌いぶりを見て、これは半端ではない凄い素質の持ち主と感じました。歌が上手い人って羨ましいです。
第6位 島津亜矢
「どんなジャンルも歌い上げる演歌界の達人」
演歌歌手ですが、最近は様々なジャンルの曲をカバーしています。何を歌わせてもとても上手い歌手です。「これ以上凄い歌手は見た事がない」というコメントも出ていました。
実際、彼女は1000の声を持つ歌手と言われていて、他の人の持ち歌でも自分のものにして歌い上げます。テクニックがないとそこまで出来ません。
第5位 宇多田ヒカル
「天から授かった声。人々の心をつかむ」
デビュー当時から大ブレークした宇多田ヒカル。出す曲出す曲大ヒットし続けました。ファーストアルバム『First Love』は累計売上765万枚以上で、日本国内の歴代アルバムセールス1位だそうです。
「天から授かった声」によって「人々の心をつかみ」ます。藤圭子の血を引き継いだのでしょうね。表現力あるその歌唱力には定評があります。
第4位 Superfly
「地声の凄さ。クライマックスを作り出す歌姫」
高音になった時でも地声の凄さが出せる方のようです。音圧を上げながら最後にエネルギーのある声を出して歌を締めくくる事が出来る人と評価は高いものでした。
私は、2019年、NHK朝ドラ『スカーレット』の主題歌『フレア』の歌い手としか知りませんでした。毎朝朝ドラを見ながら歌の上手い人だなと感じていたものでした。
第3位 吉田美和(DREAMS COME TRUE)
「王道を走り続ける、歌で遊ぶ達人」
吉田美和については「デビューからずっと王道を走ってきた感じがします。総合的に素晴らしい」「歌っているのがすっごく楽しそう」との高評価続出でした。この方はいつ聴いても本当に上手いですね。
彼女ももう55歳という事をご存じでしたか。凄いパワーを秘めた55歳です。年齢を感じさせないところがまた彼女の魅力でもあります。
第2位 MISIA
「日本人離れしたパッション。歌声は神の領域」
「神の領域に達した歌声の持ち主」「訓練してもどんなに頑張ってもあの歌声には辿り着かない」「初めて聴いた時は外国の方が歌っていると思ったパッション」「1度でいいから声帯を交換して歌ってみたい」と褒められっぱなしでした。
J-POPを聴かない私でも、彼女の名前は知っています。高音のロングトーンの凄まじさは天下一品、唯一無二です。誰も真似できない声の持ち主です。
第1位 美空ひばり
「歌手の頂点にある神様のような人。歌うために生まれてきた」
第1位は予想通り、美空ひばりでした。美空ひばりの名前を出されては第1位にしない訳にはいきません。歌の上手さは認めますが、様々な背景からしてテレビ局側としても第1位にするしかないでしょう。ここは忖度した結果だと思います。
歌手の頂点にある神様のような存在ですから、貫禄勝ちとでも言っておきましょう。それ以外のコメントが見つかりません。
第11位から第30位まで
第11位:松たか子
「大ヒット映画で圧巻の歌唱力を見せた女優」
第12位:夏川りみ
「聴く人が酔いしれる美声」
第13位:平原綾香
「低音から高音まで響く音域の広さ」
第14位:山口百恵
「活動期間わずか8年。不朽のアイドル」
第15位:中島みゆき
「45年間トップを走り続けるシンガーソングライター」
第16位:岩崎宏美
「天性の美声を持つ昭和を代表するアイドル」
第17位:天童よしみ
「世界レベルの歌唱力をもつ」
第18位:絢香
「歌唱力を支える技術の高さ」
第19位:ちあきなおみ
「息遣いで魅せる高い表現力」
第20位:安室奈美恵
「惜しまれつつ引退したカリスマ歌姫」
第21位:アンジェラ・アキ
「合唱曲にもなった名曲を生み出した歌姫」
第22位:aiko
「アップダウンの激しい難曲を歌いこなす歌唱力」
第23位:JUJU
「女性から圧倒的支持を集めるラブソングの女王」
第24位:本田美奈子
「歌に生涯をささげた伝説のアイドル」
第25位:松任谷由実
「切なさを感じさせる唯一無二の歌声」
第26位:水樹奈々
「演歌出身。こぶしを効かす歌声」
第27位:テレサ・テン
「世界をまたにかけ活躍した昭和の歌姫」
第28位:鬼束ちひろ
「迫力ある唯一無二の歌声の持ち主」
第29位:吉岡聖恵(いきものがかり)
「完璧な発声の歌姫」
第30位:中森明菜
「魔性の声を持つ80年代アイドル」
松任谷由実は本当に歌唱力あると思いますか。だったら竹内まりやはなぜ入らないのでしょうか。ニューミュージックと呼ばれたジャンルでも歌唱力のある人は多くいます。
本田美奈子、テレサ・テン、安室奈美恵ももっと上位でいいような気もします。この辺がポイント制のランキングの欠点なのでしょう。
まとめ
一切忖度なしのランキングと謳っていますが、美空ひばりが第1位はやはり忖度アリですよね。テレビ局としてはこの人を第1位にせざるを得ないでしょう。
順位の上下は別として、挙がっている人たちの名前はそれなりの説得力はあります。しかし、名前の挙がっていない人たちにも歌唱力のある人は多くいます。
アンケートを実施した歌手名のリストをぜひ見たいものです。そしてそこに挙げた理由も知りたいと思います。事前に足切りしたリストから選ばれた可能性も否定できません。