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松本紘佳
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松本紘佳(まつもと ひろか)はまだまだ若手のヴァイオリニストです。国内での知名度はまだまだ低いと思われますが、才能あふれる逸材で、今後の活躍が期待されるヴァイオリニストの一人です。幼少時から才能を認められ、リサイタルなどを開いて来ました。

彼女は7歳の時に、世界的なヴァイオリニストのザハール・ブロンに「非常に大きい才能と極めて巨大な潜在能力をもち、将来独特な音楽的個性へと成長するだろう。」と認められました。9歳の時に、ハンガリーのブタペストでリサイタルを行うなど、素質抜群のヴァイオリニストなのです。

天才少女ともいえる彼女は、音楽留学後、敢えて音楽大学を選ばず、慶応大学総合政策学部に入学し、まだ大学で学んでいます。音楽の道以外の事を学ぶことも飛躍への大きな要素になると思います。そんな、ヴァイオリニスト、松本紘佳について紹介したいと思います。

松本紘佳・略歴

バイオリンと楽譜
1995年東京都杉並区に生まれ。3歳より横浜市在住。4歳からヴァイオリンを習い始め、3か月後に横浜市フィリアホールで初舞台を踏む。「非常に大きい才能と極めて巨大な潜在能力を持ち、将来独特な音楽的個性へと成長するだろう。」と7歳にしてザハール・ブロン氏より認められる。

9歳でのハンガリーにおけるリサイタル、2006年、11歳での第10回ヴィエニャフスキ・リピンスキ国際コンクールジュニア部門における最年少入賞(第2位)を機に世に知られるようになる。小学6年生であった2007年、第61回全日本学生音楽コンクールにて全部門中の最高得点で全国優勝。

併せて、第1回津田梅子記念音楽賞、第1回全日本空輸賞、横浜市民賞、兎束賞、東儀賞を受賞。2008年に13歳で、フランツ・リスト室内合奏団とヴィヴァルディの『四季』全曲を弾き振りで協演した。2009年4月、津田ホールにてリサイタル開催。

同年5月、ユーディ・メニューイン賞をドイツにて受賞(クロンベルクアカデミー)、8月IMA音楽賞受賞。2009年に国立新美術館でモーツァルトが幼年期に用いたヴァイオリンを演奏した。2010年6月、第19回ABC新人コンサートオーディションにて最年少優勝。

2016年ウィーン市音楽芸術大学学士課程を最優秀の成績で課程を短縮し3年で卒業。2019年3月に同大学修士課程を最優秀の成績で卒業。2018年4月より慶應義塾大学総合政策学部に在籍中。オーケストラとの協演は2008年以来、国内外のオーケストラと多数。

松本紘佳の音楽

中学3年生のとき、毎日4〜5時間、自分の望む音を求めて音程やビブラートの使い方などを何度もできるまで練習したそうです。気分転換は、学校の勉強や読書だったといいますから、性根が真面目なのですね。音楽も気をてらったりするようなことはなく、あくまでも正当なものです。

テクニックは申し分なく、これからは如何に音楽の完成度を挙げるかだけの問題です。躓かず、のびのびと自分の音楽を追求していって欲しいと願うばかりです。きっと頭も切れる人物だと思われますから、今後の音楽的な事も計算しつつ、積み重ねていこうと思っているはずです。

松本紘佳に影響を与えたヴァイオリニスト

松本紘佳はこう語っています。

「日本での先生である原田幸一郎先生とジェラール・プーレ先生というお二人の素晴らしいヴァイオリニストからたくさんの事を学びました。音楽だけでなく、その時々に先生方が話してくださったことや頂いた言葉からも、大きな影響を受けてきたと思います。」

「現代のヴァイオリニストではレオニダス・カヴァコスとジャニーヌ・ヤンセンの演奏が大好き!カヴァコスは、ウィーンで聴くチャンスが多いヴァイオリニストです。彼の、楽譜を深く読み込む誠実な姿勢と完璧な技術から生まれる、生命力にあふれる豊かな音楽に惹かれています。」

松本紘佳、モーツァルトのヴァイオリンを弾く

2009年12月11日、ザルツブルク国際モーツァルテウム財団他の主催による「モーツァルトの神童ヴァイオリンを聴く会」があり、当時6歳のモーツァルトが最初に手にしたヴァイオリン「モーツァルト・キンダーガイゲ」の日本初お披露目がありました。

楽器は1746年製作で、子供用の4分の1サイズと2分の1サイズの中間の大きさ。オーストリア国外に持ち出されたのはこれが初めてだったそうです。当時14歳だった松本紘佳がそのヴァイオリンを弾く栄誉を得ました。チェンバロは小林道夫氏が担当。

『チェンバロとヴァイオリンのためのソナタ』ハ長調K6および同ニ長調K29の初期作品からの抜粋が演奏されました。演奏した松本紘佳の感想は「温かい気持ちがたくさんこもったヴァイオリン。音を鳴らすことができてうれしい」と語りました。

松本紘佳の人柄

ヴァイオリンを弾いている時が一番自分らしい、そう言い切っています。ソリストだけが際立つのではなく、音楽と対話しながら、自分もオーケストラの一員であるような演奏がしたいと、ひたむきに世界を、そして未来を見据えています。

いつも心がている事は、足を運んでくれるお客様や、演奏させていただく感謝だそうです。音楽は生きている限り勉強です、とあくまで謙虚な若者です。コンディションを整える秘訣は、美味しいものを食べて、一晩寝る事と屈託のない笑顔が返ってきました。

松本紘佳の今後

松本紘佳はまだ大学在籍中です。毎日数時間の練習をこなしながら、総合政策という分野を勉強しています。音楽付けにならず、広い視野を持って何事にも打ち込んでもいたいと思っています。どんな事でも、きっと音楽の深みを出すために重要なファクターになると思います。

プロとして働くようになると、旅から旅の生活になります。体力面でも精神面でも今の内に養ってほしいと思っています。これだけの逸材です。無理する事無く、ゆっくりと歩んでいって欲しいと思います。それが、一流ヴァイオリニストになる最大の近道だと思います。

まとめ

松本紘佳の事を知っていた方は少ないと思います。私もその中の一人でした。しかし、調べれば調べるほど、彼女の素晴らしさが分かってきました。きっと、世界的なヴァイオリニストになると思います。その要素はいっぱい持っていますから、今後の彼女の活躍が楽しみです。

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