オーケストラ

オーケストラのコンサートに足繁く通っている方でも大学オーケストラまで守備範囲に入れている方は多くないのではないでしょうか。実は私もそうでした。そもそもコンサートの選択肢の中に「大学オーケストラ」というワードは存在していなかったのです。

しかし、先日「慶應義塾ワグネル・ソサィエティー・オーケストラ」(以下、「慶應ワグネル」)を聴く機会があり、私は衝撃を受けました。なぜならアマチュアの域を超えている演奏だったからです。一般大学のオーケストラがここまで上手いとは思いも寄らない出来事でした。

私が「慶應ワグネル」を聴きに行こうと思った経緯から実際に演奏に接しての感想などをまとめてみようと思います。これを読んで多くの方が彼らの演奏を聴きに行ってくれるようになると嬉しいです。

「慶應ワグネル」って凄いんだよ!!
ぜひ多くの方に聴いてほしいオーケストラだな。

「慶應ワグネル」を聴くきっかけ

ある夜に何気なくTwitterを見ていたら、おすすめに「慶應義塾ワグネル・ソサィエティー・オーケストラ238回定期公演」の情報が流れてきました。あとで思えばこれは音楽の神様の粋な計らいだったようです。

会場が私の大好きなサントリーホールであること、メインの曲目がマーラーの「巨人」であることが魅力的に思い聴きに行こうと決めました。

実はサントリーホールをしばらく訪れていなかったこともあってサントリーホールの雰囲気を味わいたかったことが理由の第一ではあったのですが…。その時は大学オーケストラの実力を見くびっていたのです。

チケットを申し込もうと思ったら結構売れていて驚きました。S席、A席は完売でB席も残り少なく焦りましたが、何とかB席をゲットでき一安心です。

余談ですがスマホのQRコードがチケット代わりとはおじさんには不安でした。当日スマホの調子が悪くなったり充電切れなどのトラブルが起きたら入場できなくなってしまうと勝手に悩んでいたのです。そんな確率は著しく低いのに心配性の性格は年齢を重ねても治りません。

238回定期公演情報
【日時】2023年2月11日(土)13:15 開場 14:00 開演
【会場】サントリーホール
【指揮】川本貢司
【曲目】

  1. ベートーヴェン / 「コリオラン」序曲
  2. サン=サーンス / 交響詩「死の舞踏」
  3. マーラー / 交響曲第1番「巨人」

【料金】S席 2,500 円、A席 2,000 円、B 席1,500 円

サントリーホールの演奏会がリーズナブルな価格で聴くことが出来る点も魅力に感じました。

コンサート当日の様子

会場は9割方埋まっていて空いている席が数えるほどしかありません。サントリーホールをほぼ満席にするとはプロのオーケストラでもそうないことです。このオーケストラの人気の高さを実感しました。

1曲ずつ演奏を聴いた感想を書いておきます。学生さんたちはどの曲も一所懸命の演奏でした。

ベートーヴェン『コリオラン』序曲

最初の和音を聴いた途端にこのオーケストラの能力がとても高いことを認識しました。弦の分厚い響きも凄いです。聴き進むうちに「慶應ワグネル」サウンドに引き込まれてしまいました。

サントリーホールが彼らの音で満たされる様は実に心地良いものであり、学生さんたちの熱意がひしひしと伝わって来ましたよ。

サン=サーンス交響詩『死の舞踏』

2曲目はサン=サーンス。この曲は調弦を変えたコンマスのソロとハープ、シロフォンが活躍する音楽です。プログラムのメンバー表を見て団員にハープ奏者がいるのに驚きました。学生オーケストラでハープ奏者がいるところはそうそうないと思われます。ハープさん、演奏素敵でしたよ。

コンミスさんの演奏も見事でした。2挺のヴァイオリンを使い分けて大変だったと思います。シロフォンさんもお見事でした。ソロを担当された方々に大きな拍手を送ったことは言うまでもありません。

マーラー『交響曲第1番』「巨人」

休憩後の3曲目はマーラーの「巨人」。冒頭の弦楽器のフラジオレット難しいですよね。その上に木管によるかっこうの鳴き声。見事な滑り出しでした。奏でられていく音楽につれて聴衆もグイグイと引き込まれていきます。

コンミスさんのソロ、コントラバスさんのソロ素晴らしかったです。とにかくこのオーケストラの弦楽器は良く響いていました。

終楽章の盛り上がりは興奮しました。曲の構成自体が盛り上がるように作られていますが、それを素直に実感させてくれるにはオーケストラの実力が伴わなければ無理な話です。「慶應ワグネル」は十分にその実力が備わっているオーケストラでした。

「巨人」は管楽器のソロが多い曲ですから管楽器の皆さんは大変だったと思います。難しい楽器が多いですからね。そうは言ってもホルンなどの金管楽器での音の不安定さは少々気になりました。緊張されたこともあると思います。

「慶應ワグネル」を聴いて感じたこと

コンサートを聴き終わって感じたことは実に楽しい、充実した時間を過ごせたということです。学生オーケストラ恐るべし。聴く前の自分の認識が間違っていたと反省しました。「慶應ワグネル」の皆様ごめんなさい。

「慶應義塾ワグネル・ソサィエティー・オーケストラ」は素晴らしいオーケストラです。声を張り上げて何度でも繰り返します。「慶應義塾ワグネル・ソサィエティー・オーケストラ」は素晴らしいオーケストラです。

一般大学のオーケストラがマーラーを平然と演奏してしまうことに驚くとともに、「学生さんたちやるじゃん」と嬉しくなりました。YouTube公式にはブルックナー『交響曲第4番』の動画もあり、やはりこのオーケストラは凄いのねと改めて驚いています。

学生オーケストラですから1曲に掛ける練習時間は多いでしょうが、ここまで仕上げてくるには大変な努力をされたことでしょう。特に弦楽器の方たちはプロとの違いは楽器の値段の差ぐらいしかないのではないかとも思うほどでした。

おそらく多くの方たちが幼少時より個人レッスンを受け10年以上のキャリアを積まれているのでしょうね。とても良い響きで感動しました。

オーケストラのメンバー表を見てみると総勢250名ほどになるようです。ヴァイオリンだけでも60人近くの団員さん。ステージに上がるのも熾烈な競争があるのではないでしょうか。管楽器は特に大変そうです。

定期演奏会は年3回行われるとのことです。そして後期定期演奏会はサントリーホールでの開催となっていることも知りました。ぜひ次回も聴きに行こうと思っています。

感動したコンサートでした。
「あっぱれ」をあげないといけないな。

「慶應ワグネル」のコンサート情報を入手する

「慶應ワグネル」のコンサート情報は同オーケストラの公式サイトで確認するのが手っ取り早いし最も正確かと思います。

「慶應ワグネル」の事をもっと知りたい方はこちら慶應義塾ワグネル・ソサィエティー・オーケストラ【公式サイト】

コンサートのチケット購入まで出来るようになっていますのでとても便利です。

まとめ

「慶應義塾ワグネル・ソサィエティー・オーケストラ238回定期公演」を聴いて感じたことを書いてみました。学生さんたちのひたむきさが伝わってきたとても素敵なコンサートであったと思います。今後も機会があれば聴きに行きたいオーケストラとなりました。

学生オーケストラであるため毎年メンバーが変わり運営は大変かと思いますが、引き続き素晴らしい音楽を我々に届けて頂きたいと思っています。

「慶應義塾ワグネル・ソサィエティー・オーケストラ」様、ありがとうございました。

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