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クラシック音楽 歴史

音楽の起源を遡れば、おそらく古代文明の興りと同時期に生まれたものと思われます。呪術や宗教的儀式などで用いられた歌や打楽器などが、音楽の起源となっているものと考えられています。人々が日常的に音楽を楽しむようになるのはずっとずっと後の時代になります。

最初は宗教的儀式から始まり、次いで教会音楽が発展します。我々が一般的に聴いているクラシック音楽は17世紀頃からになります。これをバロック音楽と呼び、五線譜が登場し、きちんとした記譜方法が確立されます。これ以前の音楽はまだ完全に記譜法が確立されていませんでした。

音楽の全てがようやく完成を見たバロックから「クラシック音楽の歴史」を見ていきます。バロック・古典派・ロマン派・印象派・現代音楽までの音楽史を簡単に説明しようと思います。音楽の起源を知って、クラシック音楽をもっと深く楽しみましょう。

クラシック音楽とは

クラシック音楽とは

厳密にいえば、音楽史的には中世音楽、ルネサンス音楽は「クラシック音楽以前の音楽」として扱われています。なぜならば、まだ楽譜の記譜法も完成されず、口伝えで伝承されていたり、楽譜が誕生しても、4線譜を使っていたり、バロック以降の音楽とは区別されるものだからです。

これから説明する音楽史の内、通常、バロックから現代音楽を称して「クラシック音楽」と呼んでいます。音楽としての基礎が確立され、学問としても扱われるようになったためです。もっと狭義でいえば、「クラシック音楽」は古典派だけを指す場合もあります。

クラシック音楽史の区分

「バロック」からのクラシック音楽史を簡単に纏めると、次の5つに集約できます。次の段落から、音楽の基礎がようやく完成した「バロック」から順に、各音楽時代がどのように生まれ、それがどう発展したのかを簡単に説明して行きたいと思います。

  1. バロック(17世紀初頭~18世紀中頃)
  2. 古典派(18世紀中頃~19世紀初頭)
  3. ロマン派(19世紀初頭~20世紀初期)
  4. 印象派(1890年~1920年)
  5. 現代音楽(1920年~ )

バロック【クラシック音楽の原型】

バロック

「バロック」という名前は、当時バロック絵画が描かれ美術史における「バロック時代」である事からその名が付きました。バロックとはそもそも「歪んだ真珠」を意味する言葉で、過剰な装飾を施す傾向にあったこの時代の芸術を嘲笑するために使われました。

楽器自体が進歩し、器楽音楽が本格的に発展してきました。低音声部が曲全体を支える通奏低音を支柱とした音楽が特徴です。ストラディバリやグァルネリなどの弦楽器の名工達が活躍した時代でもあります。バロック期は多くの楽器が発明され、従来の楽器にも改良が加えられました。

ピアノが発明されたのもこの時代です。しかし、まだまだ改良点が多くあり、チェンバロがメインの楽器だった事は否めません。現在使われている平均律を完成させたのがバッハといわれています。「音楽の父」と呼ばれる所以です。調性(長調や短調)が確立された時代でもあります。

この時代の音楽家は王族や貴族、教会をスポンサーとする職業音楽家でした。ですから、作られる曲はスポンサーの意向を汲むことになり、豪華絢爛で起伏の激しい作風の音楽が主流となりました。ヘンデルの『メサイア』などはその典型的なものとなっています。

作曲家・代表曲

  • クラウディオ・モンテヴェルディ『聖母マリアの夕べの祈り』
  • アントニオ・ヴィヴァルディ『四季』
  • ヨハン・セバスティアン・バッハ『マタイ受難曲』
  • ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデルオラトリオ メサイア』

古典派【クラシック音楽の基礎が完成】

古典派

古典派といわれる所以は単に「古い」を意味する事ではなく、英語の「classic」には「長く時代を超えて規範とすべき物」という意味もあり、その為に古典派と名付けられました。ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンが活躍した時代ですから「長く時代を超えて規範とすべき物」=「古典派」と名付けるのも当然の事と思われます。

この時代になると、王族や貴族達に支えられてきた音楽家たちの身分も変わってきます。一般聴衆に直接音楽を聞かせて、演奏会や楽譜の出版で生業を立てるような音楽家が出現しました。作曲家が本当に自分の書きたい音楽を書ける時代が始まったのです。

古典派の音楽は今も引き継がれる音楽の形式が整い、ソナタ形式が発達し、バロック音楽の特徴であった通奏低音がなくなりました。機能的な和声進行からなる和声音楽(ホモフォニ-)に変わった所が特徴です。交響曲、管弦楽曲や室内楽など今日まで続く形式が完成された時代でした。

ソナタ形式を超簡単に言うと、「提示→展開→発展」という音楽の形式の事です。この形式が発展したおかげで、音楽の構成が複雑になり、最終的にベートーヴェンのように長大な曲を書く人も現れてきます。楽器もかなり発展してきて、ピアノも現代と同じレベルになります。ホルン、トロンボーン、ピッコロなどの管楽器も多彩になり、音楽自体がより高みを増した時代です。

作曲家・代表曲

  • フランツ・ヨーゼフ・ハイドン『オラトリオ 天地創造』
  • ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト『レクイエム』
  • ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン『交響曲第9番 合唱つき』
  • フランツ・ペーター・シューベルト『未完成 交響曲』

ロマン派【洗練された音楽へと昇華】

ショパン

19世紀に入ると、何よりも個性や自我の自由な表現を尊重するようになります。知性よりも情緒を、理性よりも想像力を、形式よりも内容を重んじた考え方であるロマン主義が生まれました。文学、美術、哲学のみにとどまらず、音楽もこのロマン主義運動と連動しています。

他の音楽史の区分(バロック派など)は、後世の人物によって名付けられましたが、ロマン派音楽は、当時の音楽家自らが自分たちの主義を主張するため自主的にロマン派と名乗っていました。自分の思いを直接的に聴衆に伝え、人々の感動を得る事が出来るようになったのです。

古典派によって完成された音楽形式を下地にして個人的な思想や感情、あるいは憧れなどの要素を織り込んで、古典派音楽をより発展させました。作曲はいわば自己表現の手段になり「自分の考えを如何に表現するか」に重きが置かれるようになりました。

ロマン派音楽はオーケストラの規模を拡大しながらも古典派音楽から受け継がれた楽式の構造は維持しました。古典派で培われた和声音楽がこの時代で円熟し、作曲技法などが発展しました。ワーグナーのような楽劇も生まれ、各地の民話、伝説等を題材にしたオペラが誕生してきます。

代表的な作曲家と代表曲

ロマン派は『前期ロマン派・新古典派・後期ロマン派・国民楽派』と細かく分類する事ができます。ひとつひとつを見ていきましょう。

前期ロマン派

  • エクトル・ベルリオーズ『幻想交響曲』
  • フェリックス・メンデルスゾーン『ヴァイオリン協奏曲』
  • フレデリック・ショパン『24の前奏曲』
  • ロベルト・シューマン『交響曲第3番 ライン』

新古典派

  • ヨハネス・ブラームス『交響曲第1番』
  • グスタフ・マーラー『交響曲第9番』

後期ロマン派

  • リヒャルト・ワーグナー『ニーベルングの指輪』
  • ピョートル・チャイコフスキー『交響曲第6番 悲愴』
  • アントン・ブルックナー『交響曲第8番』
  • リヒャルト・シュトラウス『ばらの騎士』

国民楽派

  • ベドジフ・スメタナ『交響詩 わが祖国』
  • アントニン・ドヴォルザーク『交響曲第9番 新世界』
  • ジャン・シベリウス『交響曲第2番』

印象派【ふんわりとした音楽】

印象派
近代音楽の時代は、マネやルノワール、モネたちに代表される美術における「印象派」が活躍した時代でもありました。そのため音楽でもこの「印象主義」に影響を受けました。自分が感じた心象風景をそのまま五線譜に表現しました。

印象派の絵画のように、印象主義音楽でもそれまでの理論や形式とは別の技法を編み出し、印象派独特の雰囲気を味わうような音楽が多く作られました。主観的表現をしりぞけ、その時の印象や微妙な雰囲気を感覚的に捉えている音楽です。

印象派は何といってもドビュッシーを抜きにしては語れない音楽です。彼の天才振りがこの「印象派」を形作ったといっても過言ではありません。気持ちが洗練されるような素晴らしい音楽を作り上げました。ラヴェルともども天才の作り上げた音楽は胸を打つ物が多くあります。

    作曲家と代表曲

  • クロード・ドビュッシー『前奏曲集第1巻、第2巻』
  • モーリス・ラヴェル『ピアノ協奏曲』

現代音楽【多様化の音楽】

現代音楽
音楽史的には1920年以降のクラシック音楽を「現代音楽」と呼びます。現代アートの芸術家たちは発想が自由で、非常に独創的な音楽が生まれています。最も前衛的な語法とされていた十二音音楽が多くの作曲家によって取り上げられるようになりました。調性の破壊です。

また、あらかじめ決定された意思としての音楽を否定した偶然性の音楽なども人気になりました。特にこれはジョン・ケージに代表される手法であり、世界中に広まっていきます。日本の現代作曲家たちも随分影響を受けました。聴いている私たちはどうすればいいのといった感じでした。

現代音楽には、転調に次ぐ転調や、調性を持たない無調の音楽など、それまでの形式に縛られない独創的な音楽が多くあります。これをクラシック音楽と呼んでいいのかと首を傾げたくなる音楽も山程あります。現代音楽が今後どうなるか、とても心配でもあります。

作曲家と代表曲

  • ジョン・ケージ『4分33秒』
  • アルバン・ベルク『歌劇 ヴォツェック』
  • 武満徹『ノヴェンバー・ステップス』
  • スティーヴ・ライヒ『ダブル・セクステット』

まとめ

クラシック音楽の原点、バロックから現代音楽までの歴史を駆け足で見てきました。この間に3大B(バッハ、ベートーヴェン、ブラームス)やマーラー、ドビュッシーといった天才作曲家が出ては名曲を書き残し、現代までその素晴らしさを伝えています。

今後も変わりなく、その伝統が受け継がれていく事でしょう。現代音楽と呼ばれているものが今後どう発展していくかは私の想像力ではよく分かりません。しかし、バロックから印象派までの音楽は確実に永遠後世に伝えられていくでしょう。嗚呼、素晴らしきかな、クラシック音楽!!

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