イギリスのQuacquarelli Symonds Limited(QS)が毎年「世界大学ランキング」を作成しています。その2020年のランキングが発表されていますのでご紹介します。

「QS世界大学ランキング」は国際的な大学ランキングの中でもTOPレベルのひとつとして認知されています。世界の大学の評価機関としての信頼度が高いのです。

その中の「Performing Arts(舞台芸術)」分野を見ていきます。「Performing Arts」ですから、純粋に音楽のみに特化してのランキングではない事を念頭に置いてご覧ください。

また、音楽大学だけではなく、総合大学の音楽学部も含まれています。欧米では音楽も学問の中心のひとつと考えられているためです。

2019年はジュリアード音楽院が第1位でした。今年はどうでしょうか。
大学の評価はそうそう変動するものではないから、上位は変わらないだろう。

QSランキングの判定基準

  1. 学術関係者からの評価
  2. 雇用主からの評価
  3. 論文の引用
  4. H指数:学者、研究者の生産性と影響力

2020「Performing Arts」TOP10

第1位:ジュリアード音楽院(アメリカ)
第2位:イギリス王立音楽大学(イギリス)
第3位:ウィーン国立音楽大学(オーストリア) 
第4位:イギリス王立音楽アカデミー(イギリス)
第5位:ニューヨーク大学(アメリカ)
第6位:ギルドホール音楽院(イギリス)
第7位:カーチス音楽院(アメリカ)
第7位:香港演芸学院(中国)
第9位:スコットランド王立スコットランド音楽院(イギリス)
第10位:ハーバード大学(アメリカ)

2020年のランキング結果を見て

今年もジュリアード音楽院は第1位、2016年からこの分野の評価が始まって以来第1位をキープし続ける偉大なる音楽大学です。この音楽院の卒業者のその後の活躍ぶりを見れば、誰もが納得するでしょう。

昨年、同率1位だったウィーン国立音楽大学は、今年は第3位でした。しかし、毎年上位に挙げられている音楽大学です。レベルの差はそうあるわけではありません。

今年の目玉は第7位の香港演芸学院(Hong Kong Academy for Performing Arts)です。前年12位から第7位にジャンプアップしています。

もう1校、スコットランド王立スコットランド音楽院は前年19位からのTOP10入りです。イギリス勢は層の厚さを感じます。

前年第9位のノースウェスタン大学(アメリカ)は第26位と大幅に順位を下げ、同第10位のオックスフォード大学(イギリス)も第12位とTOP10陥落です。

パリ音楽院は残念ながら14位から17位に下落、シベリウス音楽院もひとつランクを落として13位でした。

アメリカ4校、イギリス4校、オーストリア1校、中国1校という結果になりました。香港とはいえ中国勢が入ってきたのは注目です。

2020年もドイツの音楽大学はTOP10に入っていません。英米強しという感じですね。今年も日本の音楽大学は100位以内に1校も選ばれていませんでした。残念な結果です。

2020年もジュリアード音楽院が第1位でした。流石ですね。
ジュリアード音楽院は見事だね。しかし、ベスト3は紙一重の差なのだよ。この3校はしばらく変わらないだろう。

2019年のQS音楽大学ランキング

2019年のランキングを確認したい方は以下の記事を参照してください。各校の特徴や卒業生などを取り上げています。

まとめ

「2020 QS世界音楽大学ランキング」の№.1はジュリアード音楽院でした。この部門が発表されるようになってから不動の1位です。

TOP10はアメリカ4校、イギリス4校、オーストリア1校、香港1校という結果でした。2020年もイギリスとアメリカの大学が上位を占めています。

音楽大国ドイツの大学はどうしてランキング上位に入れないのか不思議です。アメリカ、イギリスの評価が高いのはカリキュラムに何か違いがあるのでしょうか。興味があるところです。

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