もし、自分の曲を有名作曲家に作曲して貰えるなら、あなたは誰がいいですか?そんな興味深いアンケートを『島村楽器株式会社』が行いました。「クラシック作曲家に関する調査」というアンケートで、自社の社員に対して行ったものです。非常に面白い結果ですので紹介します。
好きな作曲家は男女ともにショパンでしたが、自分の曲を作曲してほしい作曲家はどうだったのでしょうか。日本人にとっては、あの作曲家の存在は別格かと思われる人物もいますので、第1位になったのが誰か、とても想像を駆り立てられます。
アンケートでは、自分の曲を作曲してほしい作曲家の他に、様々な事を調査しています。クラシック音楽に対する意識調査なども行っていますので、それらについても書いておきます。クラシック・ファンとそうではない人のクラシック音楽に対する認識の違いなどが分かってきます。
アンケート対象者データ
- 対象:島村楽器株式会社従業員(アルバイト含む)、20代~50代 440名(男性220名・女性 220名)
- 対象440名の内、クラシック・ファン205名、それ以外235名
- 調査時期:2019年8月
- 調査手法:インターネット調査
クラシック音楽に興味がない人たちもいるので、事前にクラシック音楽史上有名な作曲者26名の名前を提示して、その中から選択して貰う方法を取っています。
26人の作曲家の内容はこちら
第10位 シューベルト
比率:3.2%
男性:第9位
女性:ランク外
女性にはあまり人気が無いのですね。見た目も関係しているかも。シューベルトは好きな作曲家のランキング外でしたが、こちらには入ってきました。シューベルトの旋律は美しいものが多いためでしょうか。
第9位 バッハ
比率:4.5%>
男性:8位
女性:8位
バッハの名は男女ともに有名ですからね。しかし、ランクが低いのはお堅いイメージや宗教音楽を想像する人が多かったのかもしれません。クラシック音楽を聴かない人が多少多い事も影響していると思います。
第8位 ガーシュイン
比率:4.8%
男性第7位、女性第6位という結果でした。女性の支持率の方が高かったのは意外でした。好きな作曲家に入っていないガーシュインが第8位にランクインしたのは、明らかに『のだめカンタービレ』の影響と考えてよさそうです。エンディングテーマが素敵でしたから。
第7位 ラヴェル
比率:4.8%
男性第6位、女性第7位でした。ラヴェルは『ボレロ』が誰にでも知られている名曲だからでしょう。クラシック・ファン以外でも皆さん知っている曲ですからね。ラヴェルは素晴らしい曲目の多い作曲家ですから、クラシック・ファンからにも支持されたのだと思います。
第6位 ラフマニノフ
比率:5.1%
男性ランク外、女性第5位という結果でした。これも驚きです。ラフマニノフはなぜ女性に人気なのでしょうか。好きな作曲家でも、女性の支持の方が高い結果でした。彼は、そんなに一般受けをする曲を作曲していません。女性クラシック・ファンの回答が偏った為としか考えられません。
第5位 モーツァルト
比率:7.3%
男性第5位、女性第4位という結果です。支持率も女性は9.1%もあります。モーツァルトに期待しているのは、美しい曲を作曲して貰える事と考えてよさそうです。第5位という結果は意外と低いランクと思いますが、世の人たちにとっては下品だからという事も影響しているのでしょう。
第4位 リスト
比率:7.7%
男性第4位、女性第3位です。リストの『愛の夢』や『ラ・カンパネラ』といったピアノ曲を意識しているのだと思います。美しいメロディはリスト独特ですからね。女性の支持率が9.1%と高いのも頷けます。リストはショパンと肩を並べるピアノ曲の大家です。
第3位 ドビュッシー
比率:10.9%
男性第3位、女性第2位でした。女性の比率は13%越え。リストのように、ドビュッシーも『月の光』『亜麻色の髪の乙女』の印象派独特のピアノ曲に憧れた結果でしょう。自分のために作ってくれるなら、より美しいメロディが漂っている方がベストですから。
第2位 ベートーヴェン
比率:10.9%
男性第1位、女性第10位という結果でした。男性の支持率は20%越えに比べ、女性は3%代。はっきりした違いが出ています。男性はベートーヴェンが作り出す壮大さを欲しがっているのです。ベートーヴェンのイメージが如実に結果に出ています。
第1位 ショパン
比率:19.2%
男性第2位、女性第1位と男女ともに高い支持を得ました。女性が好きな作曲家ショパンですが、男性にも人気がある事は意外でした。自分の曲を作って貰うのですから、男性の順位はもう少し下かと思っていました。男女問わず、ショパンに甘美な曲を作って欲しいと望んだ結果です。
クラシック作曲家に関する調査結果
「自分の曲を作曲してほしい作曲家ランキング」以外にも、クラシック作曲家を調査した結果がありますのでそれも載せておきます。クラシック・ファンとそれ以外を分けて調査しています。その内容も興味深い結果が出ていますので、ぜひお読みください。
クラシックの魅力
回答者全員にどのような点がクラシックの魅力と思うかを聞いた結果、クラシック・ファンとそれ以外の人たちの回答内容が順位は微妙に違っても第5位まで同じ結果となっています。クラシック音楽のイメージは皆さん一緒という事なのでしょう。
第1位:壮大である
第2位:奥が深い
第3位:同じ曲でも指揮者・演奏家によって、解釈が異なり全然違う
第4位:歴史の積み重ねがある
第5位:ドラマチックである
クラシック・ファンだけに限定すると、第3位がトップとなっている以外、他の順位は変わりませんでした。例えば、クラシック・ファンは、解釈に拘りますから、ベートーヴェンの『運命』のCDだけでも、違う指揮者のものを何種類も持っているのが普通です。
一番好きな作曲家
第1位:ショパン(16.7%)
第2位:ベートーヴェン(12.6%)
第3位:ドビュッシー(8.6%)
第4位:バッハ(8.3%)
第5位:モーツァルト(6.9%)
第6位:リスト(6.9%)
第7位:ラフマニノフ(5.2%)
第8位:ラヴェル(4.9%)
第9位:チャイコフスキー(3.7%)
第10位:ブラームス(3.2%)
第1位:ショパン、第2位:ベートーヴェンは男女とも同じ結果でした。しかし、第3位以下は多少順位は違っても、作曲者の名前は変わりませんでした。男女に関係なく、好きな(知っている)作曲家は同じという事ですね。理由も聞いていますが、イメージ通りの回答でした。
第1位のショパンは「曲が綺麗」「曲が美しい」「メロディアスで印象に残りやすい」などの回答が寄せられ、第2位のベートーヴェンは「壮大」「人間的な魅力があり、それが曲に表れている」「自由と博愛の精神を音楽に注ぎ込んでいたから」との理由でした。
最大の特徴は、モーツァルトが意外と不人気で、ドビュッシーが上位に来ている点です。ドビュッシーは『月の光』や『亜麻色の髪の乙女』などのピアノ曲の人気が高いからでしょう。モーツァルトについては、回答者がクラシック・ファン以外の方が多いためなのかもしれません。
まとめ
『島村楽器株式会社』が実施した「クラシック作曲家に関する調査」から、「自分の曲を作曲してほしい作曲家」ランキングを中心にして見てきました。男女比やクラシック・ファンの比率など、あまり偏りのない回答から導き出した結果ですので、楽しみながら見る事が出来ました。
男女でこれだけ差があるものかと驚くような結果もありましたし、一般の人のクラシック音楽に対するイメージも分かりました。よくぞ、こんなアンケートを行ってくれましたと拍手を送りたいです。『島村楽器株式会社』様、本当にありがとうございました。