小澤征爾

日本を代表する天才指揮者である小澤征爾にもコンサート前に必ず行う儀式、所謂ルーティンが存在します。一流のアスリートであるイチロー選手がルーティンを大切にしている事は有名な話だと思います。では一流の音楽家のルーティンとはなんなのでしょうか。

コンサートでの大喝采の陰に潜む、小澤征爾の意外な秘密を見ていきたいと思います。ステージに出てくる直前にする事で、観客には決して知られる事のない、小澤独自のルーティンを紹介していきたいと思います。こんな裏側もクラシックファンなら楽しめると思います。

ルーティンとは

ルーティン
一流と呼ばれる音楽家、プロと呼ばれるアスリートなど、道を極めんとする人たちが行う「決まった一連の動作」を指します。もちろん私たち一般人の身近にもルーティンは存在しています。靴は必ず右から履くとか、大事の前にはとんかつを食べるなど、一種の験担ぎでもあります。

この一連の決まった動作をする事で心のバランスを整えたり、肉体をリラックスさせる事ができると言われています。一流になればなるほどそのルーティンは正確性を増していき、イチロー選手の動作には誤差がほとんどないそうです。

コンサート前の儀式

コンサート前の儀式
小澤征爾がコンサート前に必ず行なう儀式(ルーティン)がひとつあります。若い頃からやっていて、絶対に忘れる事はないそうです。我々聴衆が目にする事は決してないのは残念ですが、この儀式のおかげであの美しい旋律が生み出されていると思うと心にくるものがあります。

小澤征爾のルーティン【トントントン】

ステージに出てくる直前に、どんなコンサートの前でも必ず木の板を3回叩く事が小澤征爾のルーティンなのだそうで。それをしないと落ち着かないそうで、ゲン担ぎというか「おまじない」というか、長年活躍してきた音楽家独自の儀式なのでしょう!

マネージャーが持っている小さな板を「トントントン」と3回叩いてステージに出て行きます。ステージに出る扉が木の場合は、その扉を3回叩きます。なぜこのような儀式をするようになったかと言うと、演奏前にはどうしても木の感触を感じたいから、と彼の対談集の中で言っていました。

いつから始めたのか

おそらくですが、NHK交響楽団とのトラブル(N響事件)があって、アメリカに渡ったあたりからなのでしょうか。バーンスタインに誘われてニューヨークフィルの副指揮者になった頃からかもしれません。色々調べましたが、正確な情報は見つけられませんでした。

アメリカのサンフランシスコ交響楽団の音楽監督(1970~1976)をしている時に出した本には既に書かれていましたので、この習慣は最低でも60年は続いていると思います。本当に一流と呼ばれる人たちの継続力は恐ろしいです!!

プレッシャーからの開放

プレッシャーからの開放
どれだけ練習しても、勉強を重ねても、本番直前はどんな一流奏者もプレッシャーを受けています。多少のプレッシャーはある程度ポジティブな作用をもたらす物です。コンサートの本番が上手く行くのも、このプレッシャーを乗り越え、高揚感としているためだと思います。

なぜルーティンが必要なのか

どんな名演奏家でもいざ本番に向かう時にはプレッシャーを感じています。分野は違いますが、今は亡き、あの「越路吹雪」でさえ、本番前は緊張して周りの者を頻繁に困らせていたそうです。

歌詞を間違えるのではないかとか、歌を忘れてしまうのではないかとか、ネガティブな事しか考えられなかったと当時マネージャーをしていた作詞家故・岩谷時子さんが回想していました。そんな彼女の背中を押してステージに出してやるのが岩谷さんの役目だったそうです。

そのことを何とか乗り越えようと皆色々と自分なりの「おまじない」を持っているのだと思います。他人には知られないようにして、プレッシャーと戦っているのでしょう。

再び小澤征爾について


小澤征爾も人間です。プレッシャーを感じるのは当然でしょう。大きな舞台に立てば立つほど、恐怖感は大きくなるのかもしれません。ソリストでも途中で頭が真っ白になって音楽を忘れる時があるといいます。そこを乗り越えるのは日ごろの練習。無意識でも手が勝手に動くのだそうです。

練習を何故毎日何時間も行なうかは、そうなっても体が自然に反応するようにする為なのです。1に練習、2に練習と言うのはその為にもあるのです。指揮者の場合も譜面を忘れないためにも勉強あるのみです。

その上で最終的に「おまじない」で安心させると言う事でしょうか。本番直前のプレッシャーは個人で打ち勝つしかないですからね。小澤征爾の場合はそれが木の板だったと言うわけです。一流だからこそプレッシャーを人一倍感じ、そしてそれに打ち勝つ技術を持っているのです。

まとめ

天才指揮者「小澤征爾」のルーティンを見てみていかがだったでしょうか。あの小澤征爾にしてもこんな「おまじない」をしていたのです。演奏だけじゃないこんな裏話は人に伝えたくなってしまいます!

兎にも角にも、演奏前のプレッシャーって我々が想像する以上に大きい物なのですね。

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