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ヴィキングル・オラフソン

ヴィキングル・オラフソンというピアニストをご存じでしょうか。現在話題のピアニストです。クラシック音楽界のオスカーとも呼ばれる2019年の英グラモフォン・アワード「アーティスト・オブ・ザ・イヤー」を受賞しました。彼の実力が認められた結果です。

「アーティスト・オブ・ザ・イヤー」とは、世界中の音楽ファンの一般投票により選出され、毎年大きな注目を集めています。歴代の受賞者にはピエール・ブーレーズやマルタ・アルゲリッチ、リッカルド・シャイー、グスターボ・ドゥダメルなど錚々たるアーティストが名を連ねています。

ヴィンキル・オフラソンは10月にも来日して、熱い演奏を聴かせていました。12月にも来日予定となっています。「アーティスト・オブ・ザ・イヤー」を受賞して、今後の活躍が一層期待されるヴィンキル・オフラソンについての現在分かっている情報を紹介して行きます。

ヴィンキル・オフラソンの略歴

ヴィキングル・オラフソン(VÍKINGUR ÓLAFSSON)、1984年、アイスランド生まれ。父は音楽を勉強した建築家、母はピアノ教師であり、音楽に恵まれた家庭に育ちます。ピアノは母から教わります。ピアノ教室が終わると喜んでピアノの前に座っていたそうです。

アイスランドは自由でフレンドリーな場所ではあったが競争が少なかったので、2008年にジュリアード音楽院に入学し、ジェローム・ローエンサールとロバート・マクドナルドに師事しました。その後、ジュリアード・オーケストラ、アイスランド交響楽団などと協演しています。

オックスフォード大学とレイキャヴィーク大学で音楽のマスタークラスの指導者として迎えられるだけでなく、クラシック音楽に新しい扉を開くことを目的とした学生のためのアウトリーチ・リサイタル(福祉活動を目的とした音楽会)も開いています。

2012年にはレイキャヴィク・ミッドサマー音楽祭を創設して芸術監督を務めます。2015年からはスウェーデンのヴィンターフェスト音楽祭の芸術監督に就任。アイスランド音楽賞、アメリカン・スカンジナビア社会文化賞、ジュリアード・バルトーク・コンクール賞、ロータリー財団文化賞などを受賞。アイスランドに新風を吹き込んでいる若き音楽家です。

ヴィンキル・オフラソンへの称賛

  • ずば抜けた才能のピアニスト(英・グラモフォン誌)
  • 湧き上がる情熱、並外れた技巧、そしてチャレンジ精神(仏・ル・モンド紙)
  • アイスランドのグレングールド!(ニューヨーク・タイムズ紙)
  • 遊び心と妙技の絶妙な融合(クレッシェンド・マガジン)
  • 大胆かつユニークなアーティスト(BackTrack.com)

ヴィンキル・オフラソンの受賞コメント

「私は賞をもらう事に慣れていません。それが突如、今年になって多くの賞を頂き、少し困惑しています。2012年、まだ無名だった私に、アルフレッド・ブレンデルがかけてくれた「一晩でスターになるには15年必要なんだよ」という言葉は正しかったのだと実感しています。」

「若い音楽家達に耳を傾け、それぞれが本来の自分でいれるよう、サポートしてくださっている多くの方々に感謝したいと思います。」

ヴィンキル・オフラソンの音楽

現在の彼の発売CDはほとんどフィリップ・グラスという現代音楽家とバッハの偏っています。そういう意味ではとても変わったピアニストだと思います。フィリップ・グラスの音楽自体、メジャーな音楽ではありません。一方のバッハは誰もが知る有名作曲家です。

フィリップ・グラスは、今の私には語る資格が無いので、少し置いといて、バッハに拘る点が、「アイスランドのグレン・グールド」と言わしめる所以です。全く持って拘りが半端でないピアニストが出てきたものだと、凄く驚いています。

オラフソン最大の特徴は、技巧に裏付けされたタッチ技術が生み出す多彩な響きにあります。ベースにあるのは硬質の澄んだタッチですが、ほの暖かい柔らかなピアニシッシモにおいても、音には一本芯が通っています。こういうタッチの持ち主は、ピアニスト界でも少ないでしょう。

ヴィンキル・オフラソン来日情報

来日公演 「ラモー×ドビュッシー×展覧会の絵」
2019年12月4日(水)東京・紀尾井ホール
2019年12月6日(金)愛知・電気文化会館 ザ・コンサートホール
2019年12月7日(土)大阪・あいおいニッセイ同和損保 ザ・フェニックスホール
2019年12月13日(金)北海道・札幌コンサートホールKitara 小ホール

「トリフォニーホール《ゴルトベルク変奏曲》plus」
ヴィキングル・オラフソン&新日本フィルハーモニー交響楽団
12月11日(水)すみだトリフォニーホール

まとめ

とても不思議なピアニストです。YouTubeで見るバッハの演奏はとても魅力的です。独特の雰囲気を持つピアニストです。グラモフォンの賞を取らなかったら、私は彼の名前さえ知らなかったでしょう。12月に来日しますから、興味のある方はぜひ演奏会に行かれる事をお勧めします。

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