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女性指揮者

女人禁制のクラシック音楽界。そんな考えが未だに指揮者の世界では横行しているのが現実です。しかし女性には本当に指揮者の才能がないのでしょうか。

音楽家の中で、指揮者は最も女性に向いていない仕事と言われてきましたが、世の中のそんな風潮を吹き飛ばすような女性たちの活躍が、世界中で目立つようになってきました。少数派ながら、メジャーオーケストラのポジションに就く女性が増えてきているのです。

ベルリン・フィルやウィーン・フィルを指揮する女性も出てきています。間違いなく今後、女性指揮者は増えてくるでしょう。そのパイオニアである世界的に称賛される一流の女性指揮者を取り上げようと思います。ぜひこの機会にランキングから女性指揮者を身近に感じて貰えれば幸いです。

世界の女性指揮者ランキングの基準

博士!女性指揮者のランキングはどのような基準で順位付けがされているのですか?
  1. 格付けの高いオーケストラの音楽監督または常任指揮者に就いている、または経験がある
  2. 格付けの高いオーケストラの何らかのポジションに就いている
  3. 格付けの高いオーケストラの指揮を何度も経験している
  4. メジャーレーベルで質の良いCDをリリースしている
実績や関わる「オーケストラの格」から女性指揮者のランキングを行ってみたぞ!

第10位 西本智実

西本智実
出典 :https://www.barks.jp/news/?id=1000083367

名前:西本智実(にしもと ともみ)
誕生日:1970年4月22日
出身:大阪府大阪市出身
学歴:大阪音楽大学作曲学科卒

西本智実の略歴

日本ではマスメディアに取り上げられる事が多い、女性指揮者です。現在はイルミナートフィルハーモニーオーケストラ芸術監督兼首席指揮者に就いています。2004から2007年、ロシア交響楽団の芸術監督兼首席指揮者、2010から2011年、ロシア国立交響楽団首席客演指揮者などを歴任。

2004年「Newsweek JAPAN」「世界が尊敬する日本人100人」に選出。録音もロシア物を中心に多数リリースしています。ロシア以外にもヨーロッパの各地のオーケストラも指揮するようになり、日本人としても一層注目したい女性指揮者の一人です。

第9位 バーバラ・ハンニガン

バーバラ・ハンニガン
名前:バーバラ・ハンニガン(Barbara Hannigan)
誕生日:1971年5月8日生まれ
出身地:カナダ
学歴:トロント大学卒

バーバラ・ハンニガンの略歴

バーバラ・ハンニガンは元々ソプラノ歌手で、後に指揮も始めました。歌いながら指揮をするという、変わり種指揮者でもあります。ソプラノ歌手であり、指揮者でもあるという二刀流は恐らく彼女が史上初ではないかと思います。そのレパートリーは近現代が中心ですが、モーツアルトの声楽曲やハイドンの交響曲にも広げています。

2018/2019シーズン、スウェーデンのエーテボリ交響楽団の首席客演指揮者に就任しました。彼女の指揮の実力が認められた証です。アルバム「クレイジー・ガール・クレイジー」は、グラミー賞の「ベスト・クラシック・ソロ・アルバム」を獲得するなど活躍が続いています。

第8位 アロンドラ・デ・ラ・パーラ

アロンドラ・デ・ラ・パーラ
名前:アロンドラ・デ・ラ・パーラ(Alondra de la Parra)
誕生日:1980年10月31日
出身地:メキシコ
学歴:マンハッタン音楽学校卒

アロンドラ・デ・ラ・パーラの略歴

2004年、ニューヨークを本拠地とするフィルハーモニック・オーケストラ・オブ・ディ・アメリカス(POA)を設立。デビューCDは、米国ビルボードのクラシック音楽部門でトップ10入り。メキシコでは発売後2ヶ月で「プラチナ・ディスク」を獲得。

2013年4月、名門パリ管弦楽団に急遽代役として登場し、絶賛を浴び、以降、ヨーロッパ各地の主要オーケストラに招かれました。2017年、クイーンズランド交響楽団にオーストラリア初の女性音楽監督として就任しました。その美貌から各国の多くの女性誌のカヴァーページを飾っています。

第7位 ケリー=リン・ウィルソン

ケリー・リン・ウィルソン
名前:ケリー・リン・ウィルソン(Keri-Lynn Wilson)
誕生日:1967年5月18日
出身地:カナダ、ウィニペグ
学歴:ジュリアード音楽院卒

ケリー=リン・ウィルソンの略歴

ケリー・リン・ウィルソンはジュリアード音楽院までフルートを専攻していましたが、指揮にも興味を持ち、フルートと指揮の両方で修士号まで取得しましたが、卒業後は指揮に専念します。1994年から1998年まで、ダラス交響楽団の副指揮者でした。

2013年から2015年まで、スロベニアフィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者に就任。その後はオペラを中心に活躍し、バイエルン国立歌劇場、ロイヤルオペラハウス、コヴェントガーデン、ウィーン国立歌劇場などの主要なオペラ座で活躍しています。

第6位 スザンナ・マルッキ

スザンナ・マルッキ
名前:スザンナ・マルッキ(Susanna Malkki)
誕生日:1969年3月13日
出身地:フィンランド、ヘルシンキ
学歴:ロンドン王立音楽大学、シベリウス音楽院卒

スザンナ・マルッキの略歴

最初はチェリストでしたが、指揮者に転身しました。初めにノルウェーのスタヴァンゲル交響楽団の芸術監督に就任。2007年7月、BBCプロムズを指揮。2016年、女性として初めて、ロサンゼルス・フィルの首席客演指揮者に就任。着々とキャリアを積んできました。

2016年、ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団首席指揮者就任。ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団首席指揮者は2023年までの延長が発表されました。フィンランドには実力のある指揮者が多く、その中で女性指揮者でも育つ環境が上手く働いた結果かと思います。

第5位 ジョアン・ファレッタ

ジョアン・ファレッタ
名前:ジョアン・ファレッタ(JoAnn Falletta)
誕生日:1954年2月27日
出身地:アメリカ、ニューヨーク州出身
学歴:マンネス音楽大学、ジュリアード音楽院卒

ジョアン・ファレッタの略歴

1991年、ヴァージニア交響楽団の音楽監督に就任。1999年、バッファロー・フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督を就任。現在、二つのオーケストラの音楽監督を兼任しています。アメリカという土壌もあり、才能の有る指揮者は、男女関係なく採用するのでしょう。

2011年、バッファロー・フィルハーモニー管弦楽団では芸術監督に就任。契約も2021年まで延長されました。アメリカのみならず、ヨーロッパや日本のオーケストラにも客演しています。録音にも力を入れており、グラミー賞を2度受賞しています。

第4位 ミルガ・グラジニーテ=ティーラ

ミルガ・グラジニーテ=ティーラ
名前:ミルガ・グラジニーテ=ティーラ(Mirga Gražinytė-Tyla)
誕生日:1986年8月29日
出身地:リトアニア、ヴィリニュス
学歴:グラーツ芸術大学卒

ミルガ・グラジニーテ=ティーラの略歴

ベルン歌劇場第1楽長、ザルツブルク州立劇場音楽監督、ロサンゼルス・フィルの副指揮者を経て、2016年9月からバーミンガム市交響楽団の音楽監督を務める注目の指揮者です。バーミンガム市交響楽団はサー・サイモン・ラトルが世界的なオーケストラに育て上げ上げました。

2019年2月に、創立120周年を迎えた老舗クラシック・レーベル、ドイツ・グラモフォンと長期専属契約を結んだ最初の女性指揮者です。オペラの経験も豊富で、ロス・フィルの副指揮者からステップアップして、バーミンガム市交響楽団音楽監督まで登ってきた今後有力な指揮者です。

いよいよトップ3の発表ですね!世界的に活躍する女性指揮者の最高峰!楽しみです!
並みの男性指揮者では太刀打ちできない、才能と実績を持つ指折りの女性指揮者の発表に参ろうと思うぞ!

第3位 マリン・オールソップ

マリン・オールソップ
名前:マリン・オールソップ(Marin Alsop)
誕生日:1956年10月16日
出身地:アメリカ、ニューヨーク
学歴:ジュリアード音楽院卒

マリン・オールソップの略歴

1989年、タングルウッド音楽祭クーセヴィツキー賞を受賞し、レナード・バーンスタイン、小澤征爾らに教えを受けました。1993年、コロラド交響楽団の音楽監督に就任。ロイヤル・スコティッシュ管弦楽団の首席客演指揮者を経験後、2002年からはボーンマス交響楽団の首席指揮者に就任。

2007年、ボルティモア交響楽団の音楽監督に就任。アメリカで初めてメジャー・オーケストラの音楽監督を務める女性指揮者となりました。レコーディングにも積極的で、数多くのCDをリリースしています。また、ロンドン・フィルを指揮してのブラームスの交響曲全集などがあります。

第2位 カリーナ・カネキラス

カリーナ・カネキラス
名前:カリーナ・カネラキス(Karina Canellakis)
誕生日:1983年8月23日
出身地:アメリカ、ニューヨーク
学歴:ジュリアード音楽院卒

カリーナ・カネキラスの略歴

2016年ショルティ指揮者コンクール優勝。その後、世界の主要なオーケストラに招かれ、活躍しています。現在、オランダ放送フィルハーモニックの首席指揮者。そして何といっても2019年9月からはパリ管弦楽団の首席指揮者に就任しました。大出世です!!

そして、ベルリン放送交響楽団の首席客演指揮者への就任も決まっています。38歳にしてパリ管弦楽団とオランダ放送フィルの首席指揮者兼任なんて、何と恵まれたポジションを獲得した事でしょう。才能の裏返しとしか言えません。今後の彼女の動向に注目です。

第1位 シモーネ・ヤング

シモーネ・ヤング
名前:シモーネ・マーガレット・ヤング(Simone Margaret Young)
誕生日:1961年3月2日
出身地:オーストラリア、シドニー出身
学歴:ニューサウス・ウェールズ州音楽院卒

シモーネ・ヤングの略歴

女性指揮者として、ウィーン・フィルを振った初の女性指揮者。世界を引っ張る役割を担ってきた女性指揮者のパイオニアです。1993年、ウィーン国立歌劇場に女性指揮者としてデビューを飾りました。以後、ウィーン国立歌劇場には頻繁に出演しています。

ドイツを中心に指揮活動を行い、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団を始め、ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団、シュターツカペレ・ドレスデン、バイエルン国立歌劇場、ニューヨーク・フィルハーモニック、メトロポリタン歌劇場、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団などを指揮。

1998年から2002年までベルゲン・フィルハーモニー管弦楽団首席指揮者、2001年から2003年までオーストラリア・オペラ首席指揮者。2005年から2015年まで、ハンブルク州立歌劇場の総裁であり、同歌劇場付きのオーケストラ、ハンブルク・フィルの音楽監督を務めました。

ブルックナー交響曲全集、ブラームス交響曲全集など、ハンブルク・フィルと録音。現在、最も世界で活躍している女性指揮者です。

まとめ

世界で活躍している女性指揮者を10人紹介しました。現在ではポストに就いていなくても、ベルリン・フィルやウィーン・フィルを指揮する女性指揮者は増えてきています。現在のオーケストラは男性よりも女性の方が多い時代になってきましたが、指揮者も次第に増えてきました。

とはいっても、指揮者はまだまだ圧倒的に男性優位の社会です。指揮者コンクールで女性が優勝する時代になってきましたが、オーケストラのポジションに就く女性指揮者は少数派です。シモーネ・ヤングのような才能ある女性指揮者が増える事を願っています。

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