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音楽コンクール 優勝賞金

クラシック音楽のコンクールは「国際音楽コンクール世界連盟」に加盟しているコンクールだけでも120あります。連盟に加盟していないコンクールも含めると、世界的に2000を超える数が開催されています。その中で新規のコンクールの優勝金額が物凄い事になっています。

新規のコンクールは、現行のコンクール以上の優秀な参加者を集めるためもあり、優勝賞金を高額に設定するようになりました。特に最近は中国のコンクールの優勝賞金が1桁違って、非常に高額になっています。中国の音楽的戦略は世界のコンクールの順位を変えるかもしれません。

現時点で分かっているコンクールの優勝賞金のランキングを作成しました。世界的にはまだ名の通っていないコンクールが上位に来ていて、その金額にも驚かされます。どの音楽コンクールが第1位に輝くのか、その結果をご覧ください。きっと皆さんも驚く事でしょう。

(注)為替レート 1ドル=109円、1ユーロ=122円、1カナダドル=83円で換算(2019年12月18日現在)

第1位 中国国際音楽コンクール

優勝賞金:15万ドル(約1635万円)

優勝賞金がショパン国際ピアノコンクールの約4.5倍の15万ドルと破格の金額のコンクールです。中国政府の肝入りで2019年から開催されるようになりました。第1回はピアノ部門だけでしたが、今後は他の部門も開催する予定になっています。

後発のコンクールという事もあり、優勝賞金を高く設定し、レベルの高い参加者を集めて三大コンクールに肩を並べるコンクールにしようという中国の意図が読み取れます。アメリカに次いで第2位という経済大国になった中国が、クラシック音楽の分野でも世界一を狙っているのでしょう。

第2位 上海アイザック・スターン国際ヴァイオリンコンクール

優勝賞金:10万ドル(約1090万円)

ランキング第2位も中国のコンクールとなりました。有名なヴァイオリニスト、アイザック・スターンを記念して行われる、ヴァイオリンのためのコンクールです。2016年から2年に1度開催されています。中国政府のクラシック音楽面での力の入れようは半端ではありません。

第3位 ホーネンス国際ピアノコンクール

優勝賞金:10万カナダドル(約830万円)

カナダのカルガリーで1992年に始まり、3年ごとに行われているピアノコンクールです。スター・ピアニストを輩出するために賞金額を高額にし、優勝後の育成プログラムも充実させているコンクールです。コンクールの審査方法にも独特の方法を用いている事が特徴です。

第4位 ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール

優勝賞金:5万ドル(約545万円)

かつては世界最高額の賞金金額でしたが、現在では上には上が出来て、ランキング第4位にまで後退です。とはいっても、5万ドルはコンクールの中で上位の賞金です。アメリカのコンクールの中で最も権威のあるコンクールですが、賞金的には同レベルのコンクールが多くなりました。

第4位 ソウル国際音楽コンクール

優勝賞金:5万ドル(約545万円)

1996年から始まった韓国での最も権威のあるコンクールです。声楽、ピアノ、ヴァイオリンの3部門あり、毎年部門ごとに開催されています。最近の韓国勢はショパン国際ピアノコンクールを制するなど、国際的な音楽家が増えてきました。このコンクールが起爆剤になったおかげでしょう。

第4位 クリーヴランド国際ピアノコンクール

優勝賞金:5万ドル(約545万円)

アメリカのクリーヴランドで1975年から始まり、3年ごとに開催されているコンクールです。優勝金額も大きなものですが、参加賞として出演者全員に1,000ドルが支給されるだけでなく、コンクール期間中の宿泊・食事・練習場所も提供されます。

第4位 シンガポール国際ヴァイオリンコンクール

優勝賞金:5万ドル(約545万円)

シンガポール文化芸術振興プロジェクトの一環として、2015年から始まったコンクールです。建国50周年を記念して、国を挙げたコンクールとなっており、賞金金額も高額なものです。中国、韓国、そしてシンガポールとアジア勢のクラシック音楽に掛ける熱意は注視すべきものがあります。

第4位 シドニー国際ピアノコンクール

優勝賞金:5万ドル(約545万円)

1977年から4年おきに開催されているオーストラリアのコンクールです。オーストラリアで最も権威のあるコンクールとなっています。優勝賞金も当初は2.5万ドルでしたが、現在では5万ドルと倍に増額しました。コンクールの質の向上のためと考えられます。

第4位 ジーナ・バッカウアー国際コンクール

優勝賞金:5万ドル(約545万円)

1976年に開始されたコンクールで、アメリカで第3番目に権威のあるコンクールと言われています。当初は毎年開催でしたが、現在は4年に1度の開催となりました。アメリカのコンクールの優勝賞金は5万ドルと横並びです。レベルとしてはヴァン・クライバーンより一段落ちます。

第10位 ロン・ティボー国際コンクール

優勝賞金:3.5万ユーロ(約427万円)

フランスのパリで1943年から始まった歴史のあるコンクールです。近年、4年に1度の開催になりました。若手の登竜門として、昔から知られているコンクールです。優勝賞金は三大コンクールを超えていますが、レベル的にはその下に位置するコンクールのひとつです。

三大コンクールとの比較

優勝賞金による国際コンクールのランキングを見てきましたが、優勝賞金が高いからといって、コンクールの格が高いわけではありません。名だたる音楽家を輩出してきた三大コンクールの歴史的な価値は未だに変わらないものがあります。

三大コンクールの優勝賞金

1:ショパン国際ピアノコンクール 3万ユーロ(約366万円)
2:チャイコフスキー国際コンクール 3万ドル(約327万円)
3:エリザベート国際音楽コンクール 2.5万ユーロ(約305万円)

コンクールの格

三大コンクールの優勝賞金は日本円にして、どれも300万円以上です。今回見て来たランキングTOP10には入っていませんが、金額的には国際コンクールの標準的なものと言えるでしょう。例を挙げると、日本の浜松国際ピアノコンクールの優勝賞金は300万円です。

どのコンクールも三大コンクールを意識して生み出されてきた事は間違いありません。三大コンクールは依然としてコンクールの羅針盤であり、目指すべきものなのです。言い換えれば挌上の権威あるコンクールです。それに追いつくために考えたのが優勝賞金です。
 
優勝賞金を高くして、優秀なコンテスタントを集めれば、そこから金の卵が誕生してくる、各コンクールの主催団体はそれを狙っているのでしょう。コンクールの格は結果で作られます。ランキング上位のコンクールから、三大コンクールのような人材を生み出せるか楽しみでもあります。
 

まとめ

中国のコンクールが第1位、第2位を占めました。第1位の15万ドルは破格の金額です。中国の本気度が伝わって来ます。今後、開催回数が増してくると、中国のコンクールはどういった人材を輩出してくるか、注目です。世界のコンクールランキングが変わってくるかもしれません。

中国に限らず、韓国、シンガポールといったアジアのコンクールにも興味が沸いてきます。最近の中国、韓国の音楽家のレベルは格段に進歩しています。これらのコンクールでますます日本と差がついてしまうのか心配でもあります。

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