バイオリニストは世界に多数存在しますが、全てのバイオリニストが感動を与えてくれる演奏をしてくれるわけではありません。テクニックは完全無欠なのに、心が伝わってこないバイオリニストも数多く存在します。そんな演奏を聴いた時は、とても残念に思います。
むしろ最近は「私のテクニックはこんなに凄いんです」みたいなテクニックだけに走ってしまうバイオリニストが多くなっている気がしてなりません。音楽を聴かせることは自分の感動を伝える事ですから、それを大事にしているバイオリストの演奏をじっくり聴きたいものです。
今回は私の心を満足させてくれたバイオリニストたち30名を紹介しようと思います。
バイオリニストランキングTOP30
世界的にも取得が難しいとして知られるバイオリン。初心者には一音を正確に出す事も難しく、美しい音色を響かせるなんて夢のまた夢です。幼少期から全てをバイオリンに捧げ、人々を感動させる技術を持ったバイオリニストを以下4つの選考条件の元、ランキングにしています。
- 私自身が生演奏を聴いた演奏家
- 心を揺さぶる演奏であった
- 独自の音楽性がある
- 独自性を伝える技術がある
❇︎所有バイオリンで単にグァルネリと表記している楽器は「グァルネリ・デル・ジェズ」の事です。その他のグァルネリは製作者の名前を入れて区別しています。
第30位 川田 知子
©Junichi Ohno
Tomoko Kawada(1968~)
出身地:日本
所有バイオリン:不明
1991年第5回シュポア国際コンクール優勝。テクニックに優れたバイオリニストです。私はメンデルスゾーンの「バイオリン協奏曲」をデビュー直後に聴きましたが、音の立ち上がりの良い、技巧派のソリストが出て来たなと感心しました。現在はバッハなどにも取り組んでおり、レベルの高さを示しています。
第29位 フランク・ペーター・ツィンマーマン
Frank Peter Zimmermann(1965~)
出身地:ドイツ
所有バイオリン:ストラディヴァリウス
幼い時から天才と謳われていたバイオリニストです。音色に優れた、考え抜かれた音楽をするバイオリニストで、テクニックにも客を満足させるものを持っています。ドイツを代表する優秀なバイオリニストです。私は彼のベートーヴェンの協奏曲を聴きました。満ち足りた一時でした。
第28位 小林 美恵
©Akira Muto
Mie Kobayashi(1963~)
出身地:日本
所有バイオリン:ストラディバリウス
1990年ロン=ティボー国際コンクール第1位。私が最初に聴いたのはロン・ティボーコンクールを受ける前の年でした。聴いた曲はブルッフの1番の協奏曲。なんとまあ凄い新人が出てきたものだと感慨深かった事を思い出しました。レパートリーも幅広く、大変緻密な集中力溢れる演奏を聴かせてくれます。
第27位 数住 岸子
Kishiko Suzumi(1952~1997)
出身地:日本
所有バイオリン:不明
彼女が逝ってからもう数十年経つのですね。享年47歳、若すぎる歳でした。女性にしてはちょっと大柄な方で、そのバイオリンの弾きっぷりは歌舞伎の見得を切ったときのように大胆でした。その音楽も大胆かつ繊細で美しい音色でした。拘りの強い方で髪を洗うとシャンプーでバイオリンの音までが変わるから髪は洗わないなど独特の個性を持った人でした。
第26位 ジョシュア・ベル
Joshua Bell(1967~)
出身地:アメリカ
所有バイオリン:ストラディヴァリウス
アメリカが誇る人気バイオリニストの1人。豊かな感受性が魅力のバイオリニストです。私が聴いたのはチャイコフスキー「バイオリン協奏曲」。この魅力的な協奏曲をダイナミックにそして繊細に弾いていました。今後も目が話せないバイオリニストの1人です。
第25位 アン・アキコ・マイヤース
Anne Akiko Meyers(1970~)
出身地:アメリカ
所有バイオリン:グァルネリ
史上最も高額で取引された楽器を終身貸与されています。父がアメリカ人、母が日本人のハーフです。彼女もコンクールなど受けずに実力でのし上がって来た実力派です。私は最初プロコフィエフの「バイオリン協奏曲1番」を聴きましたが、情熱的かつ素晴らしい音色で、驚かされました。その美貌からファッションモデルもしています。今後も注目の1人です。
第24位 ウート・ウーギ
Uto Ughi(1944~)
出身地:イタリア
所有バイオリン:グァルネリ、ストラディヴァリウス
イタリア出身のバイオリニストのトップに君臨した人です。「彼の音には敵わない」とまでソリスト達に言われています。私はベートヴェンの「バイオリン協奏曲」を聴きましたが、貪欲であり、優雅なベートーヴェンでした。生では1度しか聴けなかったことが悔やまれます。もうお歳ですから引退なさったのかも・・・。
第23位 チョーリャン・リン
Cho-Liang Lin(1960~)
出身地:台湾
所有バイオリン:ストラディヴァリウス
大変珍しい台湾出身のバイオリニストです。アジアでは日本、韓国からは世界的バイオリニストが何人も出ていますが、台湾人は彼が最初です。私はモーツァルトの「バイオリン協奏曲4番」を聴きました。モーツァルトの若々しさを上手く表現していて、改めて才能のあるバイオリニストだと感じました。指揮活動も本格的に行なっているようです。
第22位 ピンカス・ズーカーマン
Pinchas Zukerman(1948~)
出身地:イスラエル
所有バイオリン:グァルネリ
ヴァイオリン界の巨匠の1人です。私が生で聴いたのは1度だけ。デュトワ/N響とのブルッフ「バイオリン協奏曲1番」とビオラに持ち替えてベルリオーズの「イタリアのハロルド」を演奏しました。バイオリンとビオラの両方聴けてお得な演奏会でした。どちらの曲も彼の上品な音色が素晴らしかった事を覚えています。
第21位 樫本 大進
Daishin Kashimoto(1979~)
出身地:日本
所有バイオリン:アンドレア・グァルネリ
現在のベルリン・フィル第1コンサートマスターです。この方も素晴らしい才能に溢れています。私が聴いたのはベルリン・フィルのコンサートマスターになる前の1998年、小澤征爾/新日本フィルでシベリウス「バイオリン協奏曲」。この交響曲的な名曲を見事に弾きこなしていました。体が大きいせいもあり、バイオリンが小さく見えますが、そこからでてくる音楽は素晴らしい物でした。
Shlomo Mintz(1957~)
出身地:ロシア
所有バイオリン:ストラディバリウス
透明性のある特別な音色で、かつテクニックに優れたバイオリニストです。私が聴いたのはベートーヴェンの「バイオリン協奏曲」でしたがノイマンの指揮と共に素晴らしい音楽でした。録音にも多くの時間を割き数々のCDを作製。指揮者としても活躍しており、N響を指揮したこともあります。
第19位 戸田 弥生
Yayoi toda(1968~)
出身地:日本
所有バイオリン:ピエトロ・グァルネリ
1993年エリザベート国際音楽コンクール第1位。日本人としては二人目です。深みのある音から醸し出される音楽は聴き応えがあります。情熱的な音楽の持ち主。二人の子供の母となり、母としてもっと音楽性が高まることを期待しています。
第18位 漆原 啓子
Keiko Urushihara(1963~)
出身地:日本
所有バイオリン:ストラディバリウス
1981年東京藝術大学付属高校在学中に、第8回ヴィニャフスキ国際コンクールに於いて最年少18歳、日本人初の優勝と6つの副賞を受賞。高いテクニックと音の深みを持つ才能あるバイオリニストです。妹は漆原朝子で二人のデュオは絶賛を浴びています。私は「啓子ブリランテ」が好きで良く聴いていました。
第17位 古澤 巌
Iwao furusawa(1959~)
出身地:日本
所有バイオリン:グァルネリ、ポッジ
1979年第48回日本音楽コンクール第1位。東京都交響楽団のコンサートマスターもしばらく続けました。この頃から彼を聴く様になりましたが、小林研一郎と協演したベートーヴェンの「バイオリン協奏曲」は天晴れな演奏でした。最近はクラシックよりも葉加瀬太郎などとのセッションが多く残念です。テクニック、音楽性は天才的です。チェロの弓を使って弾いているユニークなバイオリニストです。
第16位 藤川 真弓
Mayumi Fujikawa(1946~)
出身地:日本
所有バイオリン:ピエトロ・グァルネリ
1970年チャイコフスキー国際コンクールで第2位。彼女も何回も聴いていますが、中でもハインツ・ワルベルク/N響とのラロの「スペイン交響曲」は印象深いです。表現力が素晴らしく聞き惚れました。最近はコンクールの審査員の仕事も増えています。
第15位 加藤 知子
Tomoko Kato(1957~)
出身地:日本
所有バイオリン:ストラディバリウス
1982年第7回チャイコフスキー国際コンクール第2位。私が聴いた尾高忠明/N響とのメンデルスゾーンの「バイオリン協奏曲」はうんざりするぐらい聴きなれたこの曲を、やっぱり名曲なんだと思わせてくれた素晴らしい演奏会でした。最近は室内楽も多く演奏しています。
第14位 漆原 朝子
Asako Urushihara(1966~)
出身地:日本
所有バイオリン:グァルネリ
1983年、高校2年生の時、第2回日本国際音楽コンクールで最年少で第1位獲得。私は彼女を何回か聴いていますが、エサペッカ・サロネン/N響との協演で聴いたチャイコフスキーの「バイオリン協奏曲」がより思い出深いです。あの大曲を見事に弾きこなした彼女に胸がいっぱいになったことを覚えています。漆原啓子は実姉で、姉と協演した演奏会が好評でした。
第13位 徳永 二男
Tugio Tokunaga(1946~)
出身地:日本
所有バイオリン:ストラディバリウス
1976年から1994年までN響のソロコンサートマスター、20年近くN響の顔でした。彼の演奏は数多く聴いていますが、ズデニェク・コシュラーとのブラームス「バイオリン協奏曲」は名演だったと思います。大曲に向かい合ってより深い音楽性を発揮した渾身の一曲でした。兄はチェリストの徳永兼一郎。兄弟で協演した演奏会も多くありました。
第12位 ローラ・ボベスコ
Lola Bobesco(1921~2003)
出身地:ルーマニア
所有バイオリン:グァダニーニ
若い人にはなじみの無い名前かもしれませんね。ヴィブラートを多く掛けた独特の響きの持ち主でした。私が聴いたのはヴュータンの「バイオリン協奏曲」。曲は忘れましたが(笑)、彼女の音だけは不思議と耳に残っています。今でもCDは出ているのでぜひ1枚買って聴いていただきたいと思います。きっと感動しますよ。
第11位 ジャン=ジャック・カントロフ
Jean=Jacques Kantorow(1945~)
出身地:カンヌ
所有バイオリン:ストラディバリウス
1967年エリザベート王妃国際音楽コンクールで第6位入賞。彼を聴いたのはもう大分前になります。セルジュ・ボド/N響とのラロの「スペイン交響曲」、1月の寒い日でした。彼の音楽性の豊かさを感じた演奏会でした。バイオリンだけでなく指揮者としても活躍しています。
バイオリニストランキング!10位~4位
ここから先は、みんな神の領域に近づいた方々ばかりです。どんな時でも実力的に安定し、しかも世界的にトップを走っている人たちです。しかし、トップ3とは紙一重の差があります。
第10位 竹澤 恭子
Kyouko Takezawa(1966~)
出身地:日本
所有バイオリン:ストラディバリウス
桐朋女子高音楽学科在学中に第51回日本音楽コンクール第1位。1982年インディアナポリス国際バイオリンコンクールに優勝、世界的活躍が始まりました。私が聴いたのは彼女の二十歳頃、バルトークの「バイオリン協奏曲第2番」。テクニックに裏づけされた大器だと感じました。結婚して子供ができてからますます音楽が深くなったように思います。
第9位 千住 真理子
Mariko Senju(1962~)
出身地:日本
所有バイオリン:ストラディバリウス
デビュー当時、腰に大きなリボンがついたピンクのドレスを着てステージに出てきたときは、アイドルのように可愛くて、別の意味で驚いたことは今でも鮮明に覚えています。彼女のライブは不思議といつもメンデルスゾーンの「バイオリン協奏曲」だけですが、あの聴き慣れた曲を素晴らしく演奏してくれていつも感動しています。
第8位 堀米 ゆず子
Yuzuko Horigome(1957~)
出身地:日本
所有バイオリン:グァルネリ
1980年日本史上初のエリザベート国際音楽コンクール第1位です。いっきに一躍世界の一流バイオリニストに躍進しました。この人の音楽は堀米流というか独特の世界観があって引き込まれてしまいます。「三毛猫ホームズ」の作者赤川次郎は彼女の大ファンです。
第7位 前橋 汀子
Teiko Maehashi(1943~)
出身地:日本
所有バイオリン:グァルネリ
我々に優雅で気品ある音楽をずっと提供してくれています。世界でも屈指のバイオリニストです。2017年に旭日小受賞を受賞してこの世界での実績を証明しました。とても美しく聡明なバイオリニストです。一時期化粧品のコマーシャルに出ていました。
第6位 諏訪内 晶子
Akiko Suwanai(1972~)
出身地:日本
所有バイオリン:ストラディバリウス
1990年史上最年少のチャイコフスキー国際コンクール覇者。才能あふれるバイオリニストです。ライブではシベリウスの「バイオリン協奏曲」を聴きましたが、深みのある彼女の音楽はとても目を見張るものがありました。一時期プライベートな出来事で音楽どころではなかったでしょうが、落ち着いたこれからはますます人間的に大きな音楽世界を見せてくれるでしょう。
第5位 チョン・キョンファ
Kyung-Wha Chung(1948~)
出身地:韓国
所有バイオリン:グァルネリ
弟は有名な指揮者チョン・ミュンフンです。韓国人の特性なのか我を出しすぎる傾向はありますが、音楽の深みは素晴らしく、心に迫ってくるような音楽を奏でます。一時指の病気になりましたが今では完全に復帰されたようです。
第4位 ヴィクトリア・ムローヴァ
Viktoria Yurievna Mullova(1959~)
出身地:ロシア
所有バイオリン:ストラディバリウス
彼女は1982年のチャイコフスキーコンクールの第1位。私は彼女が第1位をとってすぐに小澤、新日本フィルと「シベリウスバイオリン協奏曲」を聴きました。上手い上に見事な音楽でその才能に酔いしれました。背の高い素敵なバイオリニストです。
第3位 五嶋 みどり
Midori Goto(1971~)
出身地:日本
所有バイオリン:グァルネリ
五嶋 みどりの概略
1971年大阪枚方市生まれ。3歳の時に母が音楽の才能を見抜き、ピアノに挑戦するも挫折。しかし1/16サイズのバイオリンを祖母に買ってもらい、それに興味を持ち始めてからは、バイオリンの英才教育が始まりました。
1980年に演奏を録音したカセットテープを何人かの教育者に相談の上、ジュリアード音楽院のドロシー・ディレイに送りました。1982年このテープがディレイに認められ、ジュリアード音楽院に入学しディレイの教えを受ける事となります。彼女の世界的飛躍はここから始まっていきます。
同年12月にわずか11歳でズビン・メータ指揮ニューヨーク・フィルと協演し、パガニーニの「バイオリン協奏曲」第1楽章を演奏、全米デビューします。「天才少女デビュー」と各誌が報道し、一躍世界のMidoriとして認められるようになりました。
タングルウッドの奇跡
1986年、今もなお伝説的演奏として語られるタングルウッドでの出来事が起こります。彼女は2度もバイオリンのE線を切りましたが、コンサート・マスターやアシスタント・コンサートマスターからバイオリンを借りて、演奏を完遂しました。指揮者のレナード・バーンスタインは、驚愕のあまり彼女の前にひざまづいたそうです。翌日のニューヨークタイムズの一面は「14歳の少女、タングルウッドを3台のバイオリンで征服」と報道しています。
演奏の素晴らしさもさることながら、14歳とは思えぬ冷静さ、そうして当時、五嶋みどりは体の小ささのために3/4サイズのバイオリンを使用しており、借用したフルサイズのバイオリンで2度の事故を、一度も演奏を止める事なく乗り切ったの事にも大変な讃辞が送られました。
彼女の話をする時に必ず出てくる出来事ですね。当時ニュースやワイドショーでも話題になりました。アメリカの教科書にも載ったそうです
五嶋 みどりの活躍
その後も様々な有名オーケストラと協演、ソロリサイタルも順調にこなしていきます。まさに天才と呼ばれるような物凄い集中力の高さ、深みのある音楽は世界を魅了しています。私も初めて彼女のリサイタルを聴いた時、人一倍足を踏ん張り身体を使って演奏する姿に驚きました。
22歳の時に突然病魔に襲われ、しばらく休養に入ります。バイオリンを触らない日々がずいぶん続いたようですが、徐々に回復し、今は問題ないぐらい回復しています。その経験を生かし「みどり教育財団」を立ち上げ、音楽を通して世界の若者のために活動を行なっています。
最近は子供を生んだらしく(彼女はプライベートは一切公表していません)、母親となった事によって音楽的にも良い意味で変わっていくきっかけになっていく事でしょう。
第2位 ギドン・クレーメル
Gidon Markusovich Kremer(1947~)
出身地:ラトビア
所有バイオリン:アマティ
ギドン・クレーメルの概略
4歳のときからバイオリンをはじめ、のちにモスクワ音楽院に入る。1967年、22歳のときにエリザベート国際音楽コンクールで3位入賞し、1970年のチャイコフスキー国際コンクールで第1位を獲得。その後1975年に西側に演奏旅行し、鮮烈なるデビューを果たします。
ザルツブルグ音楽祭でも圧倒的な好評を得ました。その後は世界の指揮者、メジャーオーケストラと協演し、室内楽等も積極的に演奏しています。世界の偉大なるバイオリニストのひとりです。
ギドン・クレーメルの活躍
演奏のレパートリーはとても広く、特に現代曲は積極的に取り上げています。録音も数多く、それら現代曲はもちろん、手広くいろいろと録音しています。私が聴いたのはN響とのベートーベンの「バイオリン協奏曲」でした。深い響きの面白いベートーベンだった記憶が残っています。
今は大オーケストラと協奏曲をこなすよりも、室内楽団を作り、彼らとの演奏旅行や録音活動が多くなってきたようです。
第1位 アンネ=ゾフィー・ムター
Anne-Sophie Mutter(1963~)
出身地:ドイツ
所有バイオリン:ストラディバリウス
アンネ=ゾフィー・ムターの概略
1963年ドイツ生まれ。5歳の時にピアノからバイオリンに転向し、以来バイオリンには飛びぬけた才能を発揮してきました。13歳でヘルベルト・フォン・カラヤンに認められベルリン・フィルと協演。天才少女と呼ばれ、15歳にはモーツァルトの「ピアノ協奏曲第3番」、「第5番」をカラヤン、ベルリン・フィルと録音します。
あの帝王カラヤンが15歳の細めの可愛らしい彼女と向かい合って何か打ち合わせをしているレコードジャケットは忘れられません。そして1980年にはズビン・メータ指揮のニューヨーク・フィルと協演し、アメリカデビューを果たします。
アンネ=ゾフィー・ムターの活躍
それ以後の彼女はカラヤンをはじめとする名だたる指揮者たちやオーケストラと協演し、ソロから協奏曲、室内楽まで幅広くこなしています。その音楽性はずば抜けて凄いものがあり、テクニックも、音作りも天才的!!
私が聴いたのはN響とのモーツァルト「バイオリン協奏曲第4番」、別の日はプロコフィエフ「バイオリン協奏曲1番」の2回です。どちらもテクニックが凄かったですし、音楽の深さが違いました。彼女と同時代に生きてその音楽を聴ける幸せ、素晴らしい喜びでした。
バイオリンランキングを振り返って
第1位アンネ=ゾフィー・ムター
第2位ギドン・クレーメル
第3位五嶋みどり
第4位 ヴィクトリア・ムローヴァ
第5位 チョン・キョンファ
第6位 諏訪内 晶子
第7位 前橋 汀子
第8位 堀米 ゆず子
第9位 千住 真理子
第10位 竹澤 恭子
第11位 ジャン=ジャック・カントロフ
第12位 ローラ・ボベスコ
第13位 徳永 二男
第14位 漆原 朝子
第15位 加藤 知子
第16位 藤川 真弓
第17位 古澤 巌
第18位 漆原 啓子
第19位 戸田 弥生
第20位 シュロモ・ミンツ
第21位 樫本 大進
第22位 ピンカス・ズーカーマン
第23位 チョーリャン・リン
第24位 ウート・ウーギ
第25位 アン・アキコ・マイアース
第26位 ジョシュア・ベル
第27位 数住 岸子
第28位 小林 美恵
第29位 フランク・ペーター・ツィンマーマン
第30位 川田 知子
最初にあげた条件での結果、こんな感じのランキングになりました。日本人が結構ランクインして自分でも興味ある結果となり驚いています。
バイオリニストランキング【番外編】
残念ながらまだ私が生で聴いていない方々です。CD、映像で見ると素晴らしいヴァイオリニストばかりです。
- イツァーク・パールマン:皆が知っている世界的バイオリニスト
- 庄司 彩矢香:CD、テレビで聴くと素晴らしい才能の持ち主
- 神尾 真由子:テレビで拝見しましたが素晴らしい才能です。
あわせて読みたいストラディバリウスの秘密
まとめ
クラシック音楽を愛するおじさんのバイオリニストランキングです。かなり他の人と違っているかもしれません。こういうものは好きな人を他人に見られているようでとても恥ずかしいです。今まで自分が聴いてきたバイオリニストたちをふるいに掛けてこの30人に絞りました。
そして生演奏を聞く度、私も幼少期から音楽の英才教育が受けられたらよかったなーなんて思ってしまいます。おじさんになってしまいましが、情熱があれば今からでもバイオリンも習得できるのでしょうか。不安はありますが、あの美しい音色を奏でられるように実は教室に通い始めたおじさんでした。
最後までお付き合い頂いたみなさまに、私のちょっとした内緒話でした。練習あるのみです!!