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シンバル奏者

クラシック音楽のコンサートで演奏機会が1回だけ!後はひたすら待つだけの楽器があることを皆さんご存知ですか!?クラシック音楽の楽曲は非常に長いものが多く、その長い演奏時間の中で演奏回数が1回だけとなると当然演奏者は暇です!!

クラシック音楽好きには『新世界』のシンバルの話は非常に有名かと思います。調べてみると『新世界』以外にもシンバルが全曲の中で1回しか演奏機会がない曲や、シンバルと同等かそれ以上に暇な楽器を発見してしまいました!

今回はクラシック音楽の歴史の中でも最高に演奏者が暇な楽曲と暇すぎハプニングを紹介していきたいと思います。暇すぎて起こってしまったクラシックファン騒然のエピソードは必見です。

ドヴォルザーク『新世界より』

ドヴォルザーク

この曲は三大交響曲に選ばれるぐらい人気のある曲です。星の数あるクラシック曲の中でも死ぬほど演奏者が暇な楽曲でもあります。前述のシンバルはもちろんですが、実はシンバル以外にもうひとつ暇で暇で仕方がない楽器があるので合わせて紹介します。

『新世界』シンバル奏者

『新世界』のシンバルは、4楽章の始めにたったの一度だけ鳴らします。シンバル奏者はそのたった一回の為だけに準備し、気を引き締めて出番を待つわけです。クラシックファンの間だけでなく『新世界』の異端さを耳にした事がある方も多いかもしれません。

『新世界』は約45分の曲です。シンバルの出番は第4楽章に入ってから約2分後なので、曲が始まってから30分以上も待ちの時間が続いてしまいます。「何もしないでギャラだけ貰って帰ってきたよ」と言った奏者がいたなんて都市伝説もある程です。

近年ではシンバルを専門で担当する事は非常に少なくいようです。シンバルとトライアングルは同時に音を鳴らす事がないので、大抵はトライアングルとシンバルの掛持ちが主流となっています。オーケストラとしては予算の点からも無駄が多いと判断しての事でしょう。

『新世界』チューバ奏者

シンバル奏者の陰に隠れてしまっていますが『新世界』のチューバも第2楽章に2回だけ、しかも9小節にしか出番がないという超レアな存在なのです。さらになんと!第3トロンボーンと同じ音を吹くので、仮に吹き忘れてもコンサートホールにいる誰にも気付かれない可能性が高いのです!!

約45分の曲の中で、実際に音を出すのは数十秒だけ。本当にこの楽器は必要なのでしょうか。シンバルはまだ音を鳴らせば分かりますが、チューバは仮に吹き忘れても指揮者でさえ気が付かないのではと思ってしまいます。

音楽評論を生業とする音楽のプロと言われる人たちの間でもこのチューバ問題には諸説あるようです。その必要性の可否はいまだに決定付けられておらず、作曲家の意を汲むような形で形式的に存在するポジションなのかもしれません。

ブルックナー交響曲第7番

ブルックナー 交響曲第7番

ブルックナーは色々な版があり、指揮者がどれを選択するかによって変わってきます。大きく分けて「ノヴァ-ク版」「ハース版」がありますが、今回は「ノヴァーク版」に登場するめちゃくちゃ暇な奏者の話となります。

この曲も『新世界』と同じようにシンバルの出番は一叩きだけです。トライアングルも使われていますが、シンバルと同時に音を鳴らしますので『新世界』のように兼任する事はできず、必ずシンバル奏者が必要となります。

ブルックナー交響曲第7番のシンバル

この曲は1楽章が約20分、2楽章が約25分。問題となる第2楽章は重く、ゆっくりとしたテンポの曲であるため、聴いている観客の方も眠くなるような曲です。それにも関わらず、シンバルの出番は第2楽章終盤の21分頃という正に苦行なのです。

ブルックナー交響曲第7番第2楽章を21分も待つのは、プロとは言え相当に辛く、眠気との戦いの時間なのではないでしょうか。救いなのは打楽器が3人とも同じ出番なので、一人でも意識を保つ事ができていればしっかりと仕事を完遂する事ができるという事です。

ブルックナー交響曲第7番は全体で70分近くあり、シンバル奏者はこの一仕事を済ませると、残りの3、4楽章はひたすら座って曲の終わりを待っているだけです。これも中々大変なことですが、シンバル奏者は特等席で演奏を聞ける一番の観客かもしれません。

暇過ぎる奏者の大失敗エピソード!

演奏家の大失敗
長時間ひたすら席に座って一回の演奏をする為に待機しているわけですから、集中力を切らしてしまったシンバル奏者にまつわる面白エピソードを3つ紹介したいと思います。大失敗かもしれませんが、決して珍しくないというか、気持ちがわかるエピソードです。

眠り込んでシンバルを鳴らさなかった

当然と言えば当然、予想通りの結末ですが、実際に大切なコンサート中に居眠りしてしまい、シンバルを鳴らさなかった演奏者は過去に何十人といたそうです。小さなコンサートも含めたら数百人はいるのでないかと思います。

雑誌を読む事に夢中になってしまった演奏家

驚くべき事に雑誌に夢中でシンバルを鳴らし忘れてしまうという大失敗を犯した演奏家がいたそうです。なぜコンサート中に演奏家が雑誌を読んでいたのかという点は甚だ疑問ではありますが、眠気対策として演奏家が考えついた最良の策だったのかもしれません。

出番じゃないのにシンバルが鳴り響く

シンバルを持つ際に手が滑ってしまい、出番とは全く無関係な所でとんでもない大音響を鳴らしてしまったシンバル奏者がいたそうです。プロとはいえ起こりうるミスですが、暇だからこそ集中力を切らしてしまった事が原因だったのでしょうか。

演奏家はエゴの被害者!?

演奏家 作曲家から被害
演奏家はたったの一音でも作曲家が求めれば、その一音を最高の形で響かせなければなりません。つまり演奏家はどんな無茶振りであろうと、作曲家のエゴを満たすために存在している被害者と言っても過言ではないのかもしれません。

演奏する方からすれば作曲家から「いじめ」に近い行為を受けていると感じている演奏家もいるでしょう。『新世界』のような曲を生み出した作曲家を恨んでいる演奏家もいるでしょう。良くも悪くも、本当にクラシックの世界は奥深いです。

まとめ

オーケストラの一員であるにも関わらず、その出番が極端に少ない演奏家たちのエピソードと歴史あるクラシック音楽の世界だからこそ存在するなんとも不思議な楽曲たちのお話はいかがだったでしょうか。

仕事中にも関わらず寝てしまった演奏家に非があるのは間違いないですが、日頃から無理難題を強いる作曲家たちに対する精一杯の抵抗の形だったのかもしれません。

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